子宮頸がんとは?蛯原やすゆき監督が安田美沙子主演作で訴える検診の重要性
2014年6月6日 15:20
[映画.com ニュース] 子宮頸(けい)がんをテーマにした安田美沙子主演作「いのちのコール ミセスインガを知っていますか」が、6月7日に劇場公開される。若手監督・蛯原やすゆきが、闘病生活を送っていた故渡邉眞弓さんとともに映画化を実現。子宮頸がんに侵された女性と周囲の人々のきずなを描き、病気に対する正しい知識と検診の重要性を訴える。
高校教師のたまきは、婚約者・高志と幸せな日々を送っていたある日、子宮頸がんであることが発覚。子宮と卵巣の全摘出手術を受ける。たまきは高志と結婚するが、周囲の病気への無理解や夫とのすれ違いから孤立し、愛聴していたラジオ番組の最終回に、自殺をほのめかす電話をかける。
子宮頸がんは、性交渉によって感染するヒトパピローマウイルスが原因で発症。感染初期は自覚症状がなく、手術では対応できない状態まで進行してしまうため、早期発見が重要となる。近年は、20~30代女性の罹患率は増加しているが、病気の認知度、検診率はともに低く、誤った情報による偏見も問題視されている。
蛯原監督は、家族を奪ったがん撲滅を願う父親の活動を追った動画を制作するなど、社会性のあるテーマに取り組んできた。2009年に子宮頸がん啓発セミナーに参加し、「子宮という言葉がつくから女性の病気かと思ったら、男性こそ知っておかなければいけないのではないか」と痛感。「検診への意識を高めたい」と願っていた渡邉さんと出会い、映画化へと踏み出した。
「元気をもらえる」と白羽の矢が立った安田が、たまきを演じ、若手俳優・山口賢貴がたまきの家族として病気と向き合うことになる高志役に抜てきされた。「僕もそうですが、日本の男性は『お前を守る』という強いイメージができなかったんです。格好つけない弱い男を演じてほしかった」と等身大の男性像を組み立て、病を患った当事者だけでなく家族の苦悩も描き出した。脇を固めるベテラン勢も個性豊かな顔ぶれで、室井滋がたまきの命をつなぎとめるラジオDJ、マユミ役に挑戦。「最初から室井さんのイメージしかなかったんです。室井さんも『このキャラクターは私自身』とわかってくれていたと思います」と作品を支えている。
蛯原監督は、撮影のため患者に取材を敢行し、偏見をはじめとした見えない問題に直面したという。渡邉さんら製作陣が共通して持つ「正しい知識を持ってもらいたい」という思いを込めながらも、「教育映画にしたくなかった」と振り返り、「若い人に見てほしいという思いがあったので、重くつらいものにはしたくなかったんです。最後まで見てもらえるストーリーにするため、クスッと笑えたり、感動できるものが必要でした」とドラマ性を持たせた。
12年に作品の完成を待たず他界した渡邉さんの思いを受け継ぎ、「これから性というものに興味を持つ若い人に見てもらいたい」と熱を込める。「まずは、子宮頸がんというものがどういうものなのか、言葉だけでも知ってもらいたいです。男目線でつくっている部分もあるので、男性から恋人や家族に『検診に行っている?』と一言声をかけてほしいと思います。それから検診に行ったり、何かアクションを起こしてほしいですね」と若い世代にメッセージを送っている。
「いのちのコール ミセスインガを知っていますか」は、6月7日から全国で公開。東京・シネスイッチ銀座では、同日から女子高校生無料上映を実施する。
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