永山絢斗「モザイクジャパン」に込めた熱意と確かな手応え
2014年5月16日 14:00
[映画.com ニュース]俳優・永山絢斗が主演するWOWOWの連続ドラマW「モザイクジャパン」(全5回、毎週日曜午後11時)が、5月18日にスタートする。「R15+指定(15歳未満観賞不可)相当」と冠する、アダルトビデオ(AV)業界を舞台にしたキワどい企画だが、永山は「誰にもやらせたくない」と思うほど坂元裕二の脚本にほれ込んだ。文字通りひと肌もふた肌も脱ぐ熱演を見せたようで、「もう映像美って感じです」と自信のほどをうかがわせていた。
タイトルだけを聞いても「何のことだか分からなかった」という永山。脚本を読んだのはオフの日、湯河原の温泉に一人旅に出かけていた時で、周囲の部屋は修学旅行の団体という騒がしい環境だったが、「セリフも言いたいものばかりでしたし、会話に無理がない。衝撃的だったけれどうれしくて。だから脚本力を感じて、誰にもやらせたくないなあ」と一瞬で引き込まれた。
常末理市は、東京の証券会社をリストラされ帰郷。両親の勧めで再就職した会社は、AVを軸にさまざまな事業を展開する新進企業だったという設定。理市もセックス産業の波に翻ろうされ幾多の苦悩、挫折を味わうが、思いを寄せる社員で女優の桃子(ハマカワフミエ)の存在もあって一念発起し、成長を遂げていく。
1話に込められた情報量が多大で、理市は途中で劇的に変ぼうする。しかも撮影は順撮りではなかったため、「読むたびに衝撃的なシーンがいっぱいあり、すごく濃い内容の話だから演じるのは大変でした。全部バラバラに撮っていたので、理市の変化を表現するのがけっこうきつかった」と振り返る。だがクランクイン前に水田伸生監督の下、共演の高橋一生、ハマカワと主要キャスト3人で脚本の読み合わせをしたことが奏功したようで、「間の取り方が監督の意図とピッタリだったので、それがまずうれしかった。だから割と悩みもなかったし気持ちよく現場にいられました」と振り返る。
周囲では至る所でカラミの撮影が行われ、当然、永山自身にも用意されている。「いざその場になってみると、そういうものかっていうくらい意外と普通なんですよね。裸を見ても、いい意味ですごく集中できました」
「僕より周りの役者さんの方が大変でしたよね」と気遣いも見せるが、体を張ったのも事実。それだけにクランクアップ時は「あっという間に終わってしまって、これで全部撮りきれているのかなと不安に思いました。けっこう寂しさが強かった」そうだが、「現場でモニターをチェックした時に見ていて、すごく面白い映像がいっぱいあるんですよ。素材だけでも面白いのに、これで編集して音が入ったらもう未知ですね」と期待を募らせている。
現在は間を空けずに新作の映画撮影に臨んでおり、「かなり“モザイク”が強くて、髪を切って衣装も変わったものの、まだちょっと理市がいるみたいな」と苦笑いで“後遺症”を告白。それほどの挑戦だったという熱意の表れと取れる。
それでも「毎回が挑戦、というか挑戦しかしたくない。まだ若いし、いろいろやらなきゃって思う。こんなに面白い作品に出演できることはなかなかないので、25歳の自分を残せるというのはいいですよね」と確かな手応えをつかんでいる様子。その成果が披露されるのは、もう間もなくだ。
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