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故三國連太郎さん唯一の劇場未公開作が封切り 共演の長山藍子と誠直也も感無量

2014年5月3日 15:10

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舞台挨拶に立った長山藍子と誠直也
舞台挨拶に立った長山藍子と誠直也

[映画.com ニュース] 昨年他界した名優・三國連太郎さんの唯一の劇場未公開主演作「朽ちた手押し車」(島宏監督)が5月3日、東京・丸の内TOEIで封切られ、共演の長山藍子誠直也が舞台挨拶に登壇した。

三國さん演じる認知症の老父と末期患者の老母を抱えた家族の苦悩を描き、尊厳死や安楽死、介護・高齢化社会といった社会問題に肉薄した人間ドラマ。昨年の「お蔵出し映画祭2013」でグランプリを獲得し、1984年の製作から30年を経た今年、ついに劇場公開が実現した。

出演作180本以上という三國さんの62年の映画人生の中で、唯一の未公開だった幻の作品。長山は、「改めてとても有意義な映画に参加できたんだなと思った。30年前は大きく取り上げられていなかった問題で、今の方がより身近に感じられて、ボロボロ泣いてしまった」と念願の劇場公開に万感の面持ち。また、「当時61歳だった三國さんは(メイクに)毎日2~3時間かけて80歳のおじいちゃんになっていて、すごく迫力があった。監督も俳優さんの良いところをうまく引き出してくれる方だった」と述懐した。

三國さん演じる老父の次男役を演じた誠は、「(劇中の)僕の家族はみんな故人になられて、兄嫁(長山)だけが残っている。これは弟が面倒見ないといけないなと思う」と冗談を交えながら、「去年の5月に亡くなられた監督も、きっと草葉の陰で喜んでいる。段取りがうまくいかなくてもゆっくりと俳優を待つ監督で、穏やかな方だった」と故人に思いを馳せた。

最後に長山は、「今日は私の主人も来ている。主人の父は90歳になるし、母は80歳代。今日は皆さん、来てくれて本当にありがとうございます」と涙まじりに客席に感謝を述べた。

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