高橋克典、“器用”な風間俊介は「まあ憎たらしい」
2014年3月5日 15:15
1995年に高倉健主演でNHKドラマ化された早坂暁のオリジナル脚本「刑事 蛇に横切られる」を、舞台を現代に移し再ドラマ化。検挙した男の逆恨みによって妻を殺害されるという過酷な過去を背負いながら、刑事の誇りと信念をもって職務を全うする男・秋庭実(高橋)が、ある事件に巻き込まれ殺害された元部下の無念を晴らすため、犯人逮捕に身を投じていく姿を描く。
高橋は、被害者でありながら犯人を射殺してしまったという事実に葛とうしながら生きるという難役を演じ、「非常にしんどかった。亡霊のように何を信じていいのか分からないまま、悲しみだけをたっぷり抱えている役」と振り返り、「スケジュールもものすごいタイトで久しぶりに過酷な現場だった。その力を感じてもらえるドラマ」と胸を張った。高倉が演じた役を演じるというプレッシャーにも、「研究はしたけれど、意識したところで一朝一夕にできることじゃない。自分らしいことができればいいなと思った」と語った。
風間は、「骨太な、心にズシンとくる作品に出られてうれしい。僕と対峙するすごく目上の役者さんたちみんなが、僕にある程度の敵意を向けてくるので、それを受け止めるのに必死だった記憶がある。開局50周年にふさわしい作品になっていると思う」と自信をのぞかせた。事件のカギを握る自称フリーターの男役を演じ、「現実をうまくとらえられずフワフワと生きているような男。怪しげな、変な魅力を放つキャラクターになればいいなと思った。自分との共通点は見出せないけど、周りの役者さんと作っていった、現場に育ててもらった役」と周囲への感謝を述べた。
高橋は初共演となった風間について、「本当に器用。その器用さが現代の若者のムードをうまくかもし出している。秋庭は勘に従って動く古いタイプの刑事なので、今どきの若者との対峙が出ればいいなと。だけど、まあ憎たらしい(笑)。緒形拳さんとかだったら殴っちゃってるんじゃないかというくらいの怪演だった」と称えた。風間も、「秋庭刑事は永井に静かに接するけれど、その静かな声の中にすごみや厚さがあった」と尊敬のまなざしを向けていた。
なぜか警察に世話になる役が多い風間だが、「日常生活では軽犯罪も犯さない人間。特にミステリアスさもないつもりなのに、なぜかそういう役が多い(笑)。母親には『そんな風に育てた覚えはない』と言われた」と苦笑い。昨年一般女性と結婚したが、「ありがたいことに結婚してから忙しく、好感度が上がったのかな。悪役でも何でも攻めていきたい」と意欲的だった。
ドラマスペシャル「刑事」は3月26日21時より放送。