水嶋ヒロ&剛力彩芽、「黒執事」で見出した新たな目標
2014年1月17日 12:11
[映画.com ニュース] 命を引き換えに、絶対的契約を結んだ少女と執事になった悪魔。大谷健太郎、さとうけいいちというふたりの監督の手によって、枢やな氏の人気コミック「黒執事」が映画化された。水嶋ヒロ、剛力彩芽の怪しげな魅力がスクリーン上で交錯し、新たな「黒執事」の世界が広がっている。悪魔、男装の少女とこれまでにない役どころを演じ、新境地に挑んだふたりに話を聞いた。
「BECK」以来約3年ぶりに俳優復帰を果たした水嶋は、これまでとは異なる熱を持ってスクリーンに存在している。水嶋演じる悪魔の執事セバスチャンは、容姿端麗、頭脳明晰とすべてにおいて、人並みはずれた完ぺきさを誇る。水嶋は、完成されたキャラクターに一度はオファーを断ったというが、役者という立場に加え脚本、編集、衣装デザインなど深く製作に参加しないかという提案を受けたことで心が動いた。
本作は、原作のキャラクターを下敷きにした幻蜂清玄(汐璃)が、過酷な運命ゆえ男性として生きる道を選んだセバスチャンの主人として、物語を動かしていく。剛力はドラマ、映画、テレビCMなどで見せてきたトレードマークの笑顔を封印し、初の男装で新境地を開拓した。これまでの溌剌としたイメージから一変した、感情を抑えた演技に「ドラマでも映画でも感情を全面に出す役が多かったので、感情を表に出さないお芝居が難しかった」と明かす。それでも、男性としての運命を歩むことになった清玄の過去を踏まえ、「人間の素直な感情を、感じたままに表現できたらいいなと思っていました。でも、清玄には弱い部分を隠して生きているところもあるから、どこまで強く見せればいいのか、人に裏切られたときにどういう感情が出るのか。素のままの感情をどこまで出せばいいのかということを、監督とも話をして、お芝居しながら手探りでつくっていきました」と役に向き合った。
水嶋は、“悪魔の執事”という未知のキャラクターに挑戦するに際し、「参考になる悪魔なんてないから、悪魔を表現するためのルールを自分でつくらなければいけなかった」。人間の姿をしていても、人間としての価値観や常識が欠如している点をポイントに、「人間がうれしいとか楽しいと思うことを、悲しい、つまらないと思うかもしれない。そんなところがいい具合に、面白い要素としてエンターテインメントに映るといいな、楽しめるものになったらと大事にして演じました」と形にした。
座長として、セバスチャンとして、作品を支えた水嶋。現実からは逸脱したキャラクターながら、リアルに感じられるまで物語を生きた剛力。巨大なハードルに全力で挑んだふたりは今、何を目指すのだろうか。
「お芝居は気持ちがすごく大事なんだということを、改めて感じました。セバスチャンの動きは、完ぺきな執事であり、悪魔のような人間ではないんです。水嶋さんの細部までのこだわりが感じられて、些細な瞬間でも表現するって大事なんだなって思いましたし、一緒にお芝居をしていて『この人悪魔なんだ、人間じゃないんだ』と感じる不思議な部分が、実際に映像で見てすごく素敵な要素になっていて。私ももっともっと深くまで、お芝居と向き合えたらいいなと思っています」(剛力)
「僕はバックヤードの仕事をさせてもらって、みんなで練り上げた土台の上で、役者さんたちが輝いている姿を見るのが一番楽しかった。それぞれの思いがあって表現をされていて。それが見える度にワクワクしましたね。改めて自分は前に出るよりも、輝いている人を見るほうが好きなんだなあと実感したので、今後も人が輝けるようなものをつくっていくことができたらいいなと思っています」(水嶋)
「黒執事」は、1月18日から全国で公開。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
時代は変わった。映画は“タテ”で観る時代。 NEW
年に数100本映画を鑑賞する人が、半信半疑で“タテ”で映画を観てみた結果…【意外な傑作、続々】
提供:TikTok Japan
年末年始は“地球滅亡” NEW
【完全無料で大満足の映画体験】ここは、映画を愛する者たちの“安住の地”――
提供:BS12
【推しの子】 The Final Act NEW
【忖度なし本音レビュー】原作ガチファン&原作未見が観たら…想像以上の“観るべき良作”だった――!
提供:東映
オススメ“新傑作”
【物語が超・面白い】大犯罪者が田舎へ左遷→一般人と犯罪、暴力、やりたい放題…ヤバい爽快!!
提供:Paramount+
外道の歌
強姦、児童虐待殺人、一家洗脳殺人…犯人への壮絶な復しゅう【安心・安全に飽きたらここに来い】
提供:DMM TV
全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の伝説的一作
【超重要作】あれもこれも出てくる! 大歓喜、大興奮、大満足、感動すら覚える極上体験!
提供:ワーナー・ブラザース映画
ライオン・キング ムファサ
【全世界史上最高ヒット“エンタメの王”】この“超実写”は何がすごい? 魂揺さぶる究極映画体験!
提供:ディズニー
映画を500円で観る“裏ワザ”
【知らないと損】「2000円は高い」というあなたに…“エグい安くなる神割り引き”、教えます
提供:KDDI
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。