文学の楽しみを作家たちが発信する「飯田橋文学会」が始動
2013年12月14日 14:33

[映画.com ニュース] 日本国内外で活躍する作家や学者たちで形成される「飯田橋文学会」のホームページ公開記念トークイベントが12月13日、都内で開催され、作家の平野啓一郎、田中慎弥、柴崎友香と日本文学研究者ロバート・キャンベルが出席した。
作家、研究者や翻訳家たちが、1年半ほど前に定期的に集まって話をするようになったことから誕生した会で、これまでメンバー内のみで研究発表、小説の朗読会などを行ってきた。文学の楽しみを読者たちとも分かち合いたいという願いから、12月3日にホームページを立ち上げ、参加者の創作物や最新ニュース、朗読・対談などの動画、メールマガジンなどで、メンバーの活動を紹介するほか、読者を招いたトークイベントなども企画される。
初回から会に参加している平野は、それぞれ違う出版社から作品を出すことの多い日本の作家事情を説明し「プラットホームとして出版社の隔てなく、作家の一連の仕事を紹介したり議論する場所を作ることが重要だと考えた」と同会の設立の意義を語る。そして、「同時代の作家が何をやっているのか、お互いに知り合わないといけない。作家は孤独に仕事をするものだが、親しくなったほうが遠慮なく批評ができると思う」と話し、「海外で日本文学を研究している人に向け、HPの英語表記もやっていきたい。海外と日本の作家の交流の場もあった方がよいし、国内向けと海外向けにも機能したらいい」と願望を述べた。
山口県在住で、インターネットを使わないことで知られる田中は、2カ月に一度上京して会に参加している。「同時代の作家となかなかつながりがない中で、緩やかに巻き込まれてどういうことができるか。作家の本分は作品を書くことなので、ときどき外側と接触しつつ、自分の内側にもって帰ってどういう仕事をするかを考えるいい刺激になっている。これからも緩やかな感じで続けていきたい」とコメント。キャンベルは「世界に対して日本人が何を考え、どういう言葉で表現しているのか」を発信することが重要だと説き、「文学を通して日本の現在を知るのも大事なこと」と語った。
今後の「飯田橋文学会」活動詳細はHP(http://iibungaku.com/)で告知、月2回発行予定のメールマガジン(630円/月)は2月配信開始。
コリーヌ・アトラン、マイサラ・アフィーフィー、阿部公彦、辛島デイヴィット、ロバート・キャンベル、三枝亮介、武田将明、田中裕介、都甲幸治、中島隆博
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