林海象監督&永瀬正敏、17年ぶりタッグの“新世紀映画”「彌勒」で横浜がい旋!
2013年10月19日 06:00

[映画.com ニュース] 「私立探偵濱マイク」の林海象監督と永瀬正敏が17年ぶりにタッグを組んだ「彌勒 MIROKU」が関東初上陸を果たし10月18日、神奈川・横浜赤レンガ倉庫で生演奏付きのフィルム・オーケストラ上映が行われ、林監督と永瀬をはじめ、共演の土村芳、近衛はならが会見した。
大正から昭和にかけて数々の作品を発表した、作家・稲垣足穂の自伝的小説「弥勒」を映画化。永瀬が売れない極貧作家・江美留役、その青年期を土村が演じる。共演に佐野史郎、井浦新らプロのキャストのほか、林監督が教授を務める京都造形芸術大学芸術学部映画学科の学生90人がキャスト・スタッフとして参加した。
若手女優・黒木華らを輩出した同校映画学科で教べんをとる林監督は、「いつか映画化したいと思っていた原作で、学生たちの純粋な力があればかなうんじゃないかと思った。配給も宣伝も全て自分たちで行っている小さな映画」と挨拶。“新世紀映画”とうたう理由については、「映画が生まれて120年、輝かしい世紀だった。それが2世紀目に突入し、変遷期である今はとても苦しい時期。ここを乗り越え、今の若い人たちが成長した時に新世紀が完成するのではないか」と持論を展開。この日のフィルム・オーケストラ版は、本編の音楽を生演奏で行うというもので「史上初だと思っていたけれど、調べたら過去に『スター・ウォーズ』の旧作がやっていた(笑)。新作でやるのは『彌勒 MIROKU』が初めて。新しい映画的模索であり、新世紀映画に対するチャレンジであることは間違いない。もし命名するのなら“フィルム・サーカス”に近い」と新たな試みに挑んだ。
横浜を舞台にした人気シリーズ「私立探偵濱マイク」の名コンビとして知られる林監督と永瀬。永瀬は、「デビュー作『ションベン・ライター』もメインロケ地は横浜だった。僕にとって第2の故郷のような町ですごく特別な場所」と感慨深げ。林監督は17年ぶりに永瀬を主演に迎え、「本当に役者として素晴らしい、のひと言。貴重な俳優なので大切にしないといけない」と褒めちぎると、永瀬は「17年前の海象さんはもっと感情が表に手や足となって出ていたけれど(笑)、今回は常にニコニコとポジティブなオーラを出していた」と暴露。すると林監督は、「学生に育ててもらって監督として改心した」と冗談めかし、笑いを誘っていた。
新人の土村は、「大学3回生の時の撮影から2年近く経ち、上映も毎回見てきたけれど、見る度に味が変わる映画。海象監督は頭ごなしの否定が一切なくて、常に現場で色々な可能性を考えてくれていた」と最敬礼。永瀬も、「映画、演劇界の未来を担う若い人たちと、作品をつくれたということはとても幸せなこと」と感謝の意を伝えた。
「彌勒 MIROKU」フィルム・オーケストラ版は、東京・池袋の唐組紅テントでも10月22~23日に上映。通常の映画版は、10月26日から神奈川・横浜ジャック&ベティで6カ月ロングラン上映開始。2014年2月から、東京・京都ほか全国順次公開。
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