現代芸術家・篠原有司男と妻・乃り子 映像からあふれ出す夫婦愛「キューティー&ボクサー」予告
2013年9月11日 10:00
[映画.com ニュース] 日本で初めてモヒカン刈りにし、“ボクシング・ペインティング”で知られる81歳の現代芸術家・篠原有司男とその妻を追ったドキュメンタリー「キューティー&ボクサー」の予告編が公開された。
29歳の新鋭ザッカリー・ハインザーリングの長編デビュー作で、今年のサンダンス映画祭ドキュメンタリー部門監督賞を受賞した。ニューヨーク在住40年“ギュウちゃん”と呼ばれ、創作に人生を捧げた反骨精神あふれる篠原と、人生をともにしてきた妻の乃り子の愛とアートにあふれた生活を映し出す。
美術学生時代にニューヨークで篠原と出会い、結婚した乃り子は、妻、母、アシスタントという立場を超え、夫婦のカオスに満ちた40年の歴史を、自分の分身であるヒロイン“キューティー”に託してドローイングを綴り、夫婦による二人展を企画する。
予告編では、世界を舞台に活躍するサキソフォン奏者の清水靖晃氏が演奏するJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲1番「プレリュード」に乗せ、篠原の“ボクシング・ペインティング”や廃材を使用した作品のほか、渡米間もない頃の若き日の篠原の姿と現在の創作風景を交互に映し出す。19歳で結婚した乃り子は当時の苦労を述懐しながら、ドローイングを綴る。共に白髪となった現在も、互いの作品に意見を交わし合い、夫婦として、芸術家としてお互いを必要とするふたりの深い愛情が垣間見られる映像となっている。
「キューティー&ボクサー」は、12月21日シネマライズほか全国公開。