日本映画大学、日韓共同制作プロジェクト始動
2013年8月11日 17:30
[映画.com ニュース] 日本映画大学はこのほど、「日韓学生共同制作プロジェクト」を開始した。これは、昨年10月に韓国の国立大学である韓国芸術総合学校(パク・ジョンウォン総長)と、教育や研究に関する連携協約を締結したことによるもの。第1回となる今回は、映画監督である天願大介学科長の指導の下、日本を舞台にした脚本を韓国側が執筆し、日本で撮影を行う。
同大学はアジアの映像教育の拠点となることを目指し、同学校と協約を締結。教員や学生の交流をはじめ、共同研究活動、学術的資料及びその他の情報交換、短期的な特別学術プログラムの共同実施などの事業に着手した。今回のプロジェクトでは、まず日本を舞台にした脚本を韓国側が執筆。それを日本側がチェックして完成させた上で、韓国チーム(監督、プロデューサー、主演俳優ほか)が来日し、日本側の学生スタッフ及びキャストを加えて撮影を行う。
共同制作作品タイトルは「風邪」(仮)。韓国人中年男性と日本人少女の心の交流を描くもの。上映時間は10分を予定。脚本・監督を手掛けるのは、チョン・ジヨン(30歳・女性)。韓国芸術総合学校映像院映画科芸術士学部卒。現在、大学院課程(専門士)演出専攻2年。これまで7本の短編映画を監督し、学部卒業制作作品「春が咲く Blooming In Spring」は、第59回ベルリン国際映画祭短編コンペティション部門をはじめ国内外の映画祭に招待された。プロデューサーはイ・サンフン(31歳・男性)。同学校映像院映画科大学院課程企画専攻1年だ。
8月上旬のシナハン、ロケハンを経て、8月末から9月上旬にかけて川崎市を中心に撮影する予定(約5日間)。韓国側の担当教員はパク・クァンス教授(「チルスとマンス」「まぶしい日に」など監督)、日本映画大学の担当教員は天願学科長に加え、川上皓市教授、弦巻裕教授、さのてつろう准教授が務める。なお、来年度の第2回は日本側が韓国で撮影し、それ以降も交互に行き来する形で継続していく計画となっている。
同学校は、すでに中国の映画関係の人材を専門に養成する大学である北京電影学院との間で同様のメソッドによる韓中学生共同制作を継続実施しており、現在までに8作品を完成させている。中長期的には日本映画大学を加えた東アジアの映画大学3校による相互交流や共同制作も視野に入れ、同プロジェクトを進めていく予定。(文化通信)