魂のありかを探す旅を描く「ブッダ・マウンテン」予告編公開
2013年7月19日 15:00
[映画.com ニュース] 中国映画「ブッダ・マウンテン 希望と祈りの旅」の予告編が、このほど公開された。心の安らぎを求めて魂のありかを探す旅が織り成す、美しくせつない人間模様に引き込まれる映像に仕上がっている。
息子を失い絶望した元京劇女優と、彼女の家を間借りすることになった将来の見えない若者3人が、四川大地震で崩壊した仏像の修復作業を通して心の安らぎを得ていく姿を描いた人間ドラマ。「ロスト・イン・北京」で世界中の注目を集めた女性監督リー・ユーが、シルビア・チャン演じる元京劇女優の物語を、急激な経済発展を遂げる中国に生きる若者の危うさや優しさを絡めながら描き出し、第23回東京国際映画祭では最優秀芸術貢献賞と最優秀女優賞(ファン・ビンビン)を受賞した。共演は台湾の人気俳優チェン・ボーリンら。
2008年の四川大地震で息子を亡くし、孤独に暮らす京劇女優のユエチン(チャン)は、自宅の空き室を貸すことにする。共同で入居した3人の若者とは価値観の違いから反発することもあったが、徐々に理解を深めていく。しかし、ユエチンが自殺未遂を起こしたことからその絶望の深さを知った3人は、四川省の観音山(ブッダ・マウンテン)にある寺へユエチンを連れていく。
予告編では、もろく閉塞感を募らせる若者たちと絶望の淵に立つ女性が触れ合ううちに、表情が和らいでいく。また、観音山の荘厳な風景が郷愁を誘うだけでなく、ビルが立ち並ぶ成都のスカイラインや震災の傷跡が残るがれきの山は現在の日本の姿と重なり、登場人物との距離がより近く感じられる仕上がりになった。
「ブッダ・マウンテン 希望と祈りの旅」は、9月28日からユーロスペース、K's cinemaほか全国で順次公開。