石井岳龍監督、綾野剛の“静かな狂気”を絶賛
2013年5月24日 20:00

[映画.com ニュース] 最新作「シャニダールの花」の公開を控える鬼才・石井岳龍監督が5月24日、東京・松屋銀座で開催中のマミフラワーデザイン展2013「花、ディスカヴァリー」で、花文化研究者の川崎景介氏と対談を行った。
選ばれた女性の胸部に咲く、新薬開発のために高値で取り引きされる謎の花の成長をケアする特殊施設を舞台に、植物学者の大瀧と新人セラピストの響子が、花の提供者たちと触れ合いながら命の根源を見つめ直していく姿を描く。「ヘルタースケルター」「るろうに剣心」などで人気絶頂の綾野剛と、若手注目株の黒木華がダブル主演を務めた。
タイトル「シャニダールの花」とは、イラクのシャニダール遺跡で発見された花の化石が、野蛮といわれたネアンデルタール人による死者追悼ではないかと推測され、それが“心の発生の瞬間”を意味する仮説となったことに由来する。石井監督にとって改名前の“聰亙”時代から温めていた渾身のオリジナル企画であり、「花のもつ人を吸い込むような力はずっと謎だった。シャニダールの話にインスピレーションを受け、花と人間の関係を語るには象徴的な発見ではないかと、人に咲く花の物語を作ることになった」と経緯を説明。石井監督の分身ともいえる大瀧役に綾野を抜てきし、「それまでは尖り過ぎているイメージがあったけど、朝ドラの『カーネーション』で髪を短く切った綾野くんを見て考えが変わった。非常に繊細でなおかつ神秘的、それでいてどこかで強い。綾野君は“静かな狂気”と言っていたけど、その揺らぎの表現が素晴らしかった」と称賛した。
また、石井監督は自身を“女性崇拝者”だと名乗り「僕自身もそうだけど、男性は理屈っぽくて自分で自分の中に壁を作ってしまいがち。花は両性具有だけど、虫が蜜を吸って花粉を届けないと繁栄できないところが面白いと思った」と話題は“男女論”にまで発展。さらに、「テクノロジーが進めば進むほど、心の問題が大事になっていく。僕は植物の生命力にものすごい強さを感じるので、植物という生き方、そこから生きるヒントをつかんでもらえれば」と語りかけた。
川崎氏は、「見方によって花は恐ろしくも見える。ただ、生きることの根源を素直に表現しているだけなのではとも考えさせる映画。花は人間のように右往左往せずとも命をつなげる、最も進化した生物ではないかという説もある」と考察を加えた。
「シャニダールの花」は、7月20日から全国で公開。
(C)2012「シャニダールの花」製作委員会
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