内田裕也、60年代のニューヨーク滞在を振り返る
2013年5月14日 21:20

[映画.com ニュース] ニューヨークの名物ファッションフォトグラファーを追ったドキュメンタリー映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」の公開記念イベントが5月14日、東京・新宿バルト9で行われ、ロックミュージシャンの内田裕也が登場。鑑賞後「夜眠れなかった」というほど感銘を受けた同作の感想と自身のニューヨークの思い出を語った。
映画は50年にわたりニューヨークの街角で毎日ファッショントレンドを撮影し、ニューヨーク・タイムズ紙で人気ファッションコラムと社交コラムを担当するビル・カニンガムの仕事と日常を追う。
ザ・タイガースの活動を離れた後、ヨーロッパ一周の旅を経て、ニューヨークに滞在したという内田。「ロックンロールが栄光の1960年代後半から70年代、僕はニューヨークに住んでいて、カニンガムさんに会ったことはありませんが、夜よく出かけたクラブにはアンディ・ウォーホルがいた。その後、ジョンとヨーコさんと仲良くなっていろんなカルチャーを教えてもらった」と当時のスターたちとも交流を持ったニューヨーク生活を振り返る。
その後86年に主演し、カンヌ映画祭監督週間に招待された滝田洋二郎監督の「コミック雑誌なんかいらない」が世界的に高い評価を得て、ニューヨーク・タイムズに3回取り上げられたというエピソードを、持参した紙面コピーと共に披露した。
また、この日の試写に参加したファッション、アート界を目指す専門学生に向け、「ロックンロールといえば一発当たれば豪邸とゴージャスな生活だと思われますが、そんなのは矢沢(永吉)と布袋(寅泰)くらいなので、やめた方がいいと思います」ときっぱり。それでも、「僕はずっとロックンロールを愛している。みなさんも自分の好きなものにつき進んでほしい。アートを目指す方は、苦しくてもいつか自分なりの夢をかなえる時が来ると思います」とあたたかいメッセージを寄せた。
そして最後に「ビル・カニンガムは僕より年上ですが、自転車で走り回って、ストリートの方を撮り続けているのはやっぱりローリングストーンだと思う。僕が薦めなくても素晴らしい映画」と締めくくった。
「ビル・カニンガム&ニューヨーク」は5月18日から全国順次公開。
(C)First Thought Films
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