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江口のりこ、過激な問題作出演に懸念は「全然なかった」 会場からは拍手

2013年4月25日 17:30

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(左から)江口のりこ、永瀬正敏、井上淳一監督
(左から)江口のりこ、永瀬正敏、井上淳一監督

[映画.com ニュース] 坂口安吾の小説「戦争と一人の女」「続戦争と一人の女」を映画化した「戦争と一人の女」の外国人記者向け英語字幕付き試写会及び記者会見が4月24日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で行われ、主演の江口のりこ永瀬正敏井上淳一監督が出席した。

第2次世界大戦末期から終戦後の東京を舞台に、時代に絶望した作家の野村(永瀬)、不感症の元娼婦の女(江口)、中国戦線で片腕を失い帰還した大平(村上淳)の3人が、戦争に翻弄されながら複雑に交錯していく姿を描き出す。

若松孝二監督の下で映画作りを学び、本作で長編監督デビューを果たした井上監督は、製作費1200万円・撮影日数10日間で本作を撮り上げ、「予算がないので焼け死ぬ人々を描くことができない。ならば中国戦線で女を犯してきた帰還兵のレイプを描くことで、戦争の2次的被害者を描こうと思った。広島の原爆やシリアの内戦で何万人が死亡したとか、つい数字として捉えてしまうところがあるけど、個人の喜びや悲しみや夢や希望、それらが無慈悲に殺されることを描くことが最低限の礼儀だと思った」と主張。また、「ここ30年の日本映画やマスメディアが避けてきた、天皇の戦争責任や日本がアジアでやってきたことを、低予算ゆえにきっちりと描いておこうと思った。この映画の規模からしてまだ知られていないけど、右翼に何か言われるぐらいの映画になりたい」と挑戦的に語った。

安吾がモデルとされる野村役を演じた永瀬は、「台本を読んだ時、一行一行の感情の変化が激しく、それをどうアレンジしてお芝居するかが難しかった。坂口さんの原作をもとに、その時の時代背景、覚せい剤の中毒で死んでいく姿などのリサーチはした」と入念な役作り。過激な暴力シーンや濡れ場に果敢に挑んだ江口は、「自分は戦争を知らないし、娼婦という仕事をしたこともないので、それを経験したかのように体に入れなきゃいけなかったのは難しかった」と述懐。今後のキャリアへの支障は懸念しなかったかとの問いにも、「全然なかった。どの仕事をやるにしても、失敗すれば次の仕事にはつながらない。どの仕事も同じこと」と言い切り、会場からは拍手がわき起こった。

戦争と一人の女」は4月27日から公開。

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