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寺山修司「書を捨てよ町へ出よう」主演俳優と撮影監督が42年ぶり対面、思い出語る

2013年4月15日 13:15

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「書を捨てよ町へ出よう」主演の佐々木英明(左)と撮影監督の鋤田正義
「書を捨てよ町へ出よう」主演の佐々木英明(左)と撮影監督の鋤田正義

[映画.com ニュース] 1960年代から詩作、演劇、写真、映画など多方面でマルチな才能を発揮し、83年に47歳で死去した寺山修司の没後30年を記念し、渋谷・シネクイントで開催中の特集企画「幻想と死とエロチシズムの『寺山修司◎映像詩展』」で、寺山の長編デビュー作「書を捨てよ町へ出よう」(71)が4月14日上映された。主演の佐々木英明氏と撮影監督を務めた写真家の鋤田正義氏が42年ぶりに対面し、製作当時を振り返った。

60~80年代にかけて非商業的な芸術的映画を製作・配給していた映画会社ATG(日本アート・シアター・ギルド)で寺山が手掛けた本作は、ゲリラ撮影を行うなど実験的精神にあふれ映像表現に満ちた青春映画。スクリーンから観客に語りかける東北なまりの主人公の青年とその家族、そして青年を取り巻く人間関係を虚実入り混じった構成で描く。昨年末の紅白歌合戦出演で話題を集めた美輪明宏も丸山明宏名義で出演しており、妖艶な姿を披露している。

寺山の死後、青森に帰郷し本格的な詩作に入り、現在は三沢市寺山修司記念館館長を務める佐々木氏は、「寺山さんは高校の先輩なんです、僕が雑誌『高三コース』に詩を投稿して、寺山さんが選んでくれた。青森高校という名前が出ていたのがうれしかったのでは」と、寺山との出会いのきっかけを語る。その後、佐々木氏は寺山に呼ばれて上京、寺山が主宰する劇団「天井桟敷」で活動を共にし、本作に主演した。「シナリオはあるけれど、その通りになることはなかった。次のシーンがどうなるかもわからない状態で『英明、何か話せよ』と言われて困りました」と、即興に近い形でつくられたことを明かす。

69年のウッドストックやアンディ・ウォーホルの活躍に触発されて当時ニューヨークで活動していた鋤田氏は、現地で寺山が外国人キャストを起用して上演していた「毛皮のマリー」の写真を撮ったことが縁で、本作撮影監督に起用された。「実験映画という前提もあったので、打ち合わせをした覚えがない。シーンごとに何かアイデアがあったら好きにやってくれという感じで、自由にやらせてもらいました」と振り返る。久々の劇場での上映に「今回テレシネをやり、ブルーレイでクオリティが良くなってこれだったら残せるなと思った、劣化を整えられて出来上がりに満足しています」と太鼓判を押した。

佐々木氏は生前の寺山との思い出を「同じ青森出身で話し方もこうですし、似てるところもあって、いつも気にかけてくれた。でもそれに応えることができなくて、近親憎悪的なものもあって歯向かってばかりいた」と述懐。会場では「修司さんへの手紙」と題した詩を迫力あるパフォーマンスで朗読し、客席を沸かせた。

「幻想と死とエロチシズムの『寺山修司◎映像詩展』」は4月19日まで渋谷・シネクイントで開催。なお、本作のほか「田園に死す」(74)、遺作「さらば箱舟」(84)の3作品を収めたブルーレイボックス「atg寺山修司ブルーレイBOX」が4月24日、キングレコードから発売される。

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