臼田あさ美、夫を死なせた男との禁断愛「現場で芽生えた感情を大切に」
2013年4月4日 16:23
[映画.com ニュース]女優の臼田あさ美が4月4日、都内で行われた主演作「桜並木の満開の下に」の完成披露試写会に、メガホンをとった舩橋淳監督とともに出席した。大震災後の茨城県日立市を舞台に、プレス工場の事故で夫を失った女性・栞(臼田)と、事故の原因を作ってしまった新入社員の工(三浦貴大)の許されざる恋を描いたドラマ。「設定は理解した上で、感情面の準備はせず、現場で芽生えた感情を大切にした。不幸な出来事はある日突然訪れるし、他人事だとは思えなかった」と難役を振り返った。
それでも「笑うシーンもほとんどないし、心理的には大変な撮影だった」といい、「現地でおいしいご飯を用意してくださり、優しい声をかけてくれた皆さんに救われた」とロケ地となった日立市のボランティアスタッフに感謝の意。「今っぽくない日本映画に仕上がったと思う。ぜひ大切に見ていただければ」と神妙な面持ちでアピールしていた。
そんな臼田に対し、ベルリン国際映画祭の常連である舩橋監督は「存在感がある」と太鼓判を押し、「ヒロインの内に秘めた感情を、目で表現してほしかった。だから撮影前に『とにかくまばたきはしないでくれ』ってお願いした」。本作には震災が大きな影響を与えているといい「先行きが見えない日々のなか、自分の足元を見つめ、心をのぞきこむ今の時代に合った作品だと思う」と思いを語った。
映画は今年2月開催の第63回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に出品された。舩橋監督の作品が同映画祭で上映されるのは、「ビッグ・リバー」(2005)、「谷中暮色」(09)、「フタバから遠く離れて」(12)に続けて4作品連続となる。
「桜並木の満開の下に」は4月13日から公開。
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