坂井真紀「談志師匠は最後まで談志師匠だった」
2013年1月12日 16:14

[映画.com ニュース] 落語家の故立川談志さんの一周忌追善プロジェクト「スクリーンで観る高座 シネマ落語&ドキュメンタリー 映画 立川談志」が1月12日、都内の劇場で公開初日を迎え、談志さんの長女・松岡ゆみこ氏と女優の坂井真紀が舞台挨拶に立った。
2011年11月21日に喉頭がんで他界した談志さんの高座を、一周忌にあわせて映画館で上映。演目は、ともにこれまでDVDなどには収録されていない「やかん」(05年10月12日、国立演芸場)と「芝浜」(06年12月2日、三鷹市公会堂)。柄本明のナレーションによる未公開ドキュメンタリー映像も盛り込み、現代的な感性で古典落語を捉え直し、落語界に多大な影響を与えた天才・立川談志の落語哲学に迫る。
談志さんの大ファンを公言する坂井は、談志さんの落語に通い始めたきっかけを「行き詰まったのかな(笑)。父がファンだったのもある。談志さんに落語の面白さを教わった」と述懐。初めての時は、「1番後ろの席で見ていて小っちゃいなと。とにかくうれしくて演目は覚えていない。談志さんのような人がこの国にいて良かったと思っていた。信者かってくらい」と尊敬の念を抱いていた。
しかし、坂井は松岡氏に誘われても断じて楽屋を訪ねなかったといい、「怖いって思いはあった。談志さんはよく『今のテレビはつまんない』と言っていたけれど、私もそんなテレビに出ているなと。ファンであるからこそ、談志さんによく見られたいという思いもあった」と告白。すると松岡氏は、「談志はキレイな女の人が好き。真紀ちゃんはたぶんタイプ。だからそんな理由でパパに会うのをためらっていたなら責任を感じる。会っておいてほしかったな」としみじみ語った。
また、坂井は談志さんの訃報に「どうしようって思った。ワイドショーを見て、本当に亡くなったんだってボロボロ泣いた」。そして、「毎回毎回、落語と戦っているイメージがあった。決闘しているような、まさに1つの映画を見ているような。お客様に見せるという意味で、芝居にも戦いの部分がある」と自身に重ね合わせていた。
“女談志”とも呼ばれる松岡氏は、「父は人間がすごく好きで、本当の人間らしさが落語にあるからとほれ込んで一生をともにした。子どもの頃は父のことを野暮ったく思っていたので、変な話、今が一番好き。嫌だったことが思い出せない。パパずるいよね」と故人に思いを馳せた。そして、「真紀ちゃんに『談志師匠は最後まで談志師匠だったんですね』と言ってもらった時、涙が出るほどうれしかった。介護したことも本を出したことも全て報われたような気がした。こうして真紀ちゃんの中でも生き続けてくれているから、今でも死んだ気がしない」とほほ笑んだ。
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