海老蔵が千利休姿を初披露 豊臣秀吉役は大森南朋
2012年12月4日 05:00

[映画.com ニュース] 山本兼一氏の直木賞受賞作を市川海老蔵主演で映画化する「利休にたずねよ」の撮影現場が12月3日、滋賀・三井寺で報道陣に公開された。千利休を演じる海老蔵の姿が公になるのは、この日が初めて。凛とした佇まいで、北野大茶会のシーンに臨んだ。また、豊臣秀吉を大森南朋、石田光成を福士誠治が演じることも発表された。
第140回(平成20年度下半期)直木賞を戴冠した原作は、これまでにない情熱的で人間味あふれる利休の“美”への思いと謎を、時系列を逆転させることで巧みに描いた意欲作。映画でも、“茶聖”としての利休ではなく、研ぎ澄まされた感性、色艶のある世界を生み出した背景にあるもの、日本芸術史上唯一の殉職になった切腹に至る真相に迫る。
海老蔵は、「ふだん歌舞伎では幕が開いて終わるまで順通りですが、今回は19歳から69歳までを演じつつ順通りの撮影というわけではないので、苦心しながらやっています。利休さんは静という、静かなもののなかでどのように精神を描写していくのかが大変です」と明かす。それでも、田中光敏監督は「想像していた通り、今の時代にふさわしい新しい利休像を演じてもらっています」と全幅の信頼を寄せる。
この日に撮影された北野大茶会は原作でも重要なシーンだけに、1500席の茶席がたった大茶会を国宝である三井寺で再現した。幼少の頃から茶道をたしなんできた海老蔵だが、「皆さまの前で披露させていただくためには、相当練習しました。利休さんについて書かれた本や原作はもちろん読んでいましたが、実際に長次郎の器を拝見したり、利休さんが実際に削った茶杓などを見つけて触らせてもらうと、どう感じたのかインスピレーションを感じました」と語った。
利休のお点前に驚くシーンに挑んだ秀吉役の大森は、「僕は関白になるまでを演じなくてはいけないので、難しいところですが、これからもこだわってやっていきたいと思っています」と意欲新た。三成役の福士も、「これまでは戦略家、戦国天下取りの三成というイメージですが、いやらしい戦略家になりすぎないよう、監督とも話して演じています」と充実した表情をにじませた。
「利休にたずねよ」は、2013年12月に全国で公開。
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