宮沢章夫がホン・サンス監督の魅力を分析 恋愛扱わない自身の本音もポロリ
2012年12月3日 15:47

[映画.com ニュース] 世界的評価も高い韓国の鬼才ホン・サンス監督の特集上映「ホン・サンス/恋愛についての4つの考察」が12月2日、東京・シネマート新宿で行われ、劇作家の宮沢章夫が「ハハハ」上映後にトークイベントを行った。ホン・サンス監督の独特の演出について触れた宮沢は、「ものすごく映画のことを知っている人」と分析、「体から出てくる映画への喜び、映画をつくることへの喜びが作品から滲んでいる」と印象を語った。
“韓国のゴダール”“ロメールの弟子”などと評されることも多いホン・サンス監督。男女の何気ないやり取りや日常を題材に、恋愛の奥底に見える人間の真理を、ユーモアを交えながら浮き彫りにする。今回上映されている4作では、似て非なる4つの恋愛バリエーションを堪能することができる。
撮影当日まで役者に台本を見せないというホン・サンス監督。宮沢はそのこだわりについて、「テクニックですよね。プロの俳優というのは、表現力とか技術をものすごく持っている。そういった下地の、なお底辺に埋まっているような、ある種、彼ら(役者自身)が本来持っている力をどうやって引き出すかというのを、演出の方法として使ったんじゃないかなと想像します」と述べた。
劇中に潜むユーモアや笑いについては、おもしろかったと笑顔で語り、ロシアの作家アントン・チェーホフなどを引き合いに出しながら様々な角度から魅力を語った。
また、恋愛を扱うホン・サンス監督とは反対に、宮沢は自身の作品でほとんど恋愛を描かない。その理由を聞かれ、「意図は無いです。恥ずかしいというだけです」と本音を吐露し、意外な素顔も明かして会場を盛り上げた。
「ホン・サンス/恋愛についての4つの考察」はシネマート新宿ほかで全国で公開中。第63回カンヌ映画祭ある視点賞グランプリ「ハハハ」をはじめ、「よく知りもしないくせに」「教授とわたし、そして映画」「次の朝は他人」の4本を上映している。
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