ロック映画の名コンビがリアルを追求したモノクロ青春映画
2012年10月28日 14:10

[映画.com ニュース] 若きロックミュージシャンの憂鬱(ゆううつ)を浮き彫りにした、モノクロの青春映画「ストラッター」。長年コンビを組んできたカート・ボス監督とアリソン・アンダース監督による、ロック映画3部作の最終章だ。第25東京国際映画祭のワールド・シネマ部門に出品するため、来日したボス監督と女優のサラ・アシュレーに、スタイリッシュな魅力あふれる今作について語ってもらった。
「音楽のない世界は想像できない」というボス監督は、アンダース監督とともにロックミュージックを題材に「ボーダー・レディオ」(1987)、「シュガー・タウン」(99)のメガホンをとった。今作はシンガーのグラム・パーソンズ、キース・リチャーズの名前が登場するほか、ロックバンド「ダイナソーJr.」がスコアを担当するなど、音楽ファンにはたまらないロックテイストが散りばめられている。
ボス監督は、「ロックは自分たちの生き方の一部でもあり、身近にいるミュージシャンの生きざまを記録しようと思ったんだ」とミュージシャンと近い視点から、今作を製作した。これまでにロックバンドのドキュメンタリーを手がけた経験を持っており、今作でも「(主人公ブレットの)顔のアザや二日酔いは本物なんだよ(笑)。彼らのリアルな生活のエッセンスを出している。ドキュメンタリーではないけれど、この映画のなかにも本物をたくさん出しているんだ」と明かす。

本物を追求するこだわりは、キャスティングにも表れている。アシュレーをはじめ、主人公ブレット役のフラナリー・ランスフォード、クレオ役のエリーズ・ホランダらは友人同士だそうで、ボス監督は「あの仲間たちを使っていこうと考えていた。本物を見せていけると思ったんだ」と語る。
アシュレーも「全員友人同士なので、お互いの化学反応が映画のなかにはすべて反映されているんじゃないのかな」と満足げだ。「学校を休んでまで参加したのは、友だちとの記録が映画として残されることに魅力感じたからなの。10、20年後にどうなっているかわからないけれど、そのときにこの映画を見れば、今の時代の私たちの証明になると思った。一生に一回しか味わえない経験をさせてもらったわ」と思い入れも強い。
ボス監督は、13年ぶりにアンダース監督とタッグを組み「アリソンは魔法の力のような母性本能を持っているんだ。みんなをリラックスさせ、物ごとをスムーズに進ませる力を持っているし、楽しみながら仕事をしようという気持ちにさせてくれるんだよね」と魅力を再確認。そして、信頼のおけるパートナーと生み出した今作に、「人間の単純な感情を共有してほしい。失恋やいろいろな痛手を乗り越える姿を見ることで、新しく自分も前向きになっていけると思う。世の中の誰もが経験することなんだ」と思いを込めた。
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