森崎東監督、威風堂々の佇まい 「ペコロスの母に会いに行く」撮影順調
2012年9月18日 06:00
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[映画.com ニュース] 森崎東監督の約8年ぶりとなる新作「ペコロスの母に会いに行く」の撮影現場がこのほど、ロケ地となる長崎市内で報道陣に公開された。台風がにじり寄る不安定な天気のなかでも、森崎監督はブランクを感じさせない貫禄で、主演・岩松了の演技を射るような眼差(まなざ)しで見守った。
岡野雄一氏の介護日誌漫画「ペコロスの母に会いに行く」「ペコロスの玉手箱」を映画化する今作は、85歳になる認知症の母と、離婚し子連れで長崎に戻った息子による、心温まる日常のやり取りを描く。ロケ地・長崎出身の岩松が主人公・岡野ゆういち、若かりし頃の母みつえを同じく長崎出身の原田貴和子が演じる。また、認知症を患う年老いたみつえ役を務めるはずだった倍賞美津子は体調の問題で、赤木春恵にバトンタッチされた。
この日の撮影は、市内の居酒屋「森山酒店」で岩松扮するゆういちが息子・まさき(大和田健介)を呼び出し、焼酎を飲みながら認知症の症状が進行する母について語らうシーン。森崎監督が“ランタン祭”のパンフレットの広げ方について指示を送ると、監督補の佐藤雅道が即座に現場へ伝え、森崎組の常連でもある撮影監督の浜田毅はキビキビとした動きでチェックに余念がない。こうした大ベテランのスタッフたちに囲まれた森崎監督は、モニターの前にドカッと座り、威風堂々とした佇まいだ。
「ニワトリはハダシだ」(2004)以来、約8年ぶりのメガホンとなる森崎監督は、オファーを引き受けた理由を「原作者に会ってみて、その人となりを見て、この人の話ならばという気持ちでお受けした。ただただ、良さそうだ。長崎だから気楽そうだ。スケベな話が最初にあるしね」とユーモアを交えながら説明。島原出身となるため、地元へ凱旋ということになるが、「恥ずかしい故郷と思っていたがこの頃はすっかりそういう意識がなく、普通になって良かったなあと思う」と目を細める。
岩松も、森崎監督の話に同調し「昔は地元がイヤでイヤで、東京へ行きたくて仕方がなかった。年を取ると、そんなものでもないなと。ここには豊かなものがあると感じています」。現代を生きる人々の深層心理にある高齢社会の介護をテーマにしていることについては、「母の七回忌があったばかり。東京に出て行ったきり、これまで親に尽くしていないなと思っていた。今回、映画で介護をしようとしているけれど、自分の中では罪滅ぼし。精いっぱい、赤木さんを介護してあげたい」と言葉に力を込めた。
88歳の赤木は、亡き母へと思いを馳せる。「85歳で亡くなったのですが、認知症だったんですよ。それをいくらか参考にしています」。今作への出演を決意した理由は、「それは森崎先生だからです。松竹の『藍より青く』と『野良犬(1973)』に出させていただいたんですが、先生の厳しさ、男っぽさに接することができました。私は森崎先生の大ファンですから」とニッコリ。さらに、「これまでテレビと舞台が中心で、明けても暮れても姑役。本当は弱いのにね。だから今回のお母さん役、本当に楽しみにしていたのよ。米寿ですから、これが最後のいい記念になるんじゃないかしら。頑張ります」と並々ならぬ意欲をうかがわせた。
今作は、5月上旬にFacebook上で応援ページ(http://www.facebook.com/Pekorosu)を開設すると、1カ月強で5000人以上が「いいね」を押し、現在(9月17日)は7131人におよんでいる。また、応援団のネットワーク総数は、クランクインして間もないにもかかわらず90万人を突破。米ロサンゼルスに住む日本人から協賛金が振り込まれるなど、今作に大きな期待が寄せられているという。
「ペコロスの母に会いに行く」は、2013年夏に長崎で先行公開され、秋に全国で公開。
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