女優兼監督が自らの経験を映画化した「わたしたちの宣戦布告」を語る
2012年9月13日 19:03

[映画.com ニュース] 「彼女は愛を我慢できない」で監督デビューを果たした女優バレリー・ドンゼッリが、難病を抱えた息子を育てるという実体験に基に、自ら主演も兼ねて描く監督第2作「わたしたちの宣戦布告」について語った。
「宣戦布告」というどこか物々しいタイトルについて、ドンゼッリは「もちろん最初に“宣戦布告”した相手は、シンプルに“子どもの病気”でした」と語る。だが、後にカンヌ映画祭で受けた評論家の弁を受けて、「これは色々なものに対して戦いを挑んでいるなと思いはじめた」という。
「この作品は、社会の凡庸性やくだらなさ、個人主義、人間の意地悪さ、愚かさといったものに対しての“宣戦布告”だと言ってくれて、まさにその通りだと思いました。フランス人というのは反抗精神旺盛な国民ですが、評論家のジェラール・フォールが『これは、人生に対するひとつのデモみたいなものだ』と言っていましたし、とても良い言い方だなと思いました」
出会ってすぐに恋に落ちたロメオとジュリエットの間に生まれた息子アダムは、脳腫瘍を患っていることが発覚する。互いを励まし合いながら息子の病気と戦っていく2人を、ドンゼッリとかつての実生活のパートナー、ジェレミー・エルカイム(共同脚本も担当)が演じているが、自分たちの物語を描かなければならないという「義務感はなかった」。ただ、前作とは違うものを作りたいという「映画に対する欲望が最初にあった」といい、そして「もっとアクションや戦いがあり、ラブストーリーがあるということが必要だと思いました。そこで、ひょっとしたら、私たちのしてきた経験は良い素材になるんじゃないか、そうすれば戦っているカップルの姿を描けるんじゃないかと思ったんです」と経緯を明かす。
事実、機動性の高いスチルカメラで撮影された同作は、映画を貫くスピード感あふれるテンポが非常に印象的だ。そして、シリアスなテーマを扱いながらも、コメディタッチでもある。
「自分たち2人の経験だからこそ、それをどう扱ってもいい自由があったわけです。“聖なるもの”として扱わなくてもいい。そしてその(シリアスとコメディの)トーンというのは、自然な形で生まれてくるものなんですよ。実生活でもそうじゃないですか。すごくドラマチックな時でも愉快なことがあったり、お葬式で笑ってしまったり。それがやはり人間の生活だと思うんですね。ユーモアを取り入れることによって、状況を真正面から取り扱うよりもちょっとした慎み深さを生み出すことができます。そのちょっとしたズレみたいなもの、それは私たちにとって貴重なことなんです」
「わたしたちの宣戦布告」は、9月15日より全国順次公開。
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