活動家・鈴木邦男氏、報道写真家・福島菊次郎の姿勢に感服
2012年8月25日 16:00

[映画.com ニュース] 公開中のドキュメンタリー映画「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」の長谷川三郎監督と政治団体「一水会」顧問の鈴木邦男氏が8月25日、都内の劇場でトークイベントを行った。
敗戦直後の広島や、三里塚闘争、70年安保、あさま山荘事件など、時代を象徴する様々な事件を最前線で取材し続けてきた報道写真家・福島菊次郎。一度は保守化する日本社会やメディアと決別したが、昨年の東日本大震災を機に再びカメラを手にし、原発事故が起きた福島県に向かった。
右翼青年を追ったドキュメンタリーで鈴木氏と出会った長谷川監督は、「自分自身の立ち位置を問われ、価値観を揺さぶられた。あのとき大きな衝撃を受けてドキュメンタリーの世界にハマっていった」と述懐。そして、「福島さんは国を憂いて心配しているからこそ、落とし前をつけていない日本に対して怒りを抱えている。本当に愛そうと思ったらまずは知らなければならない」と語気を強めた。鈴木氏もこれに賛同し、「日本には良いところもあるし、どうしようもないところもある。『暗いところを見ちゃダメ』というのは愛国心でも何でもなく、自分がかわいいだけ」と持論を展開した。
映画を通じて福島さんの闘争を目の当たりにした鈴木氏は、「これほどすごい人だとは思わなかったのでビックリした。普通は集団でまとまって戦うけれど、たったひとりで国家に逆らっている。私は独り身だから捨て鉢になっているところがあるけど、福島さんのように奥さんや子どもがいたらできない。頭が下がる」と感服。長谷川監督は「単に現象を撮るのではなく、福島さんは対象者の生活を丹念に見つめる。福島さんの時代に対する怒りはその人たちからもらったもの。彼らの思いを血肉化することで福島さんができあがったのだと思う」と語った。
テロを否定し「言論で戦うべき」と主張する鈴木氏は、「最近はこういった硬派なドキュメンタリーがなかなかない。実際に戦っている人がなかなかいないので取り上げるべき人がいないのかもしれないけれど、思想をもった人を撮るのは危ないからとみんな腰が引けちゃっている。福島さんを取り上げたことは勇気であり暴挙」と評価。また、「カメラというのは強力な武器であり凶器にもなる。福島さんから表現者の覚悟と同時に自戒を感じた。どんなジャンルであれ、表現者ならば最低限見るべき映画」と訴えた。
長谷川監督は撮影を経て、「福島さんから人を撮ることがどういうことか学んだ。カメラって人を傷つけるものなので、誰のために使うのかということが重要。これからも福島さんは福島さんで、僕らは僕らの世代で“ニッポンの嘘”を見つけないといけない」と決意をにじませていた。
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