国際Dシネマ映画祭、最優秀は「二番目の妻」
2012年7月25日 16:15

[映画.com ニュース] SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012のクロージングセレモニーが7月22日、埼玉・川口市のSKIPシティ映像ホールで行われ、コンペティション部門の授賞式が行われた。長編(国際コンペ)はオーストリア作品の「二番目の妻」(ウムト・ダー監督)、短編(国内コンペ)は「ユメのおと」(角川裕明監督)がそれぞれグランプリを受賞した。
長編グランプリの「二番目の妻」は、トルコ人の風習に疑問を投げかけ、問題を提示する人間ドラマ。河井真也審査委員長は「オーストリアに住むトルコのクルド系移民の方の生活、思い、感情を学ぶことができる」と論評し、「見た後、すぐにこの作品が1番いいと審査員の間で話していた」と文句なしの受賞だったことを明かした。また、長編部門では家族をテーマにした日本作品「チチを撮りに」(中野量太監督)が台風の目になった。監督賞に加え、SKIPシティから次回作に向けて施設利用などの支援を受けられるSKIPシティアワードをダブル受賞。審査員のマーテン・ラバーツ氏から「どのアングルからナイフで切り取っても成熟した、非常に完成度の高い作品」と評価を得た。なお同作は、ノミネートされた作品を劇場公開する「SKIPシティDシネマプロジェクト」の対象作品にも選ばれ、今後全国5館以上の劇場で上映されることも決定した。
短編グランプリの「ユメのおと」は、夢にさまよう男女が、再び夢に向き合うまでをミュージカル仕立てで描いた意欲作。桝井省志審査委員長は、「コミュニケーションの手段がメールやネットが中心になった現代で、聴力を失った主人公がどうやってコミュニケーションを回復しようとするかがテーマになっている。大変興味深い作品」とコメントした。一方桝井氏は総評の中で、「短編部門は年々レベルが上がっているが、テーマは類似したものが増えている気がする。短編はもっと自由に作るもので、商業映画を手掛ける我々が介入できない、自由なフィールドで生き生きと作ってほしい」と若手クリエイターたちに課題を投げかけた。
来年で同映画祭は第10回を迎える。岡村幸四郎実行委員会副会長(川口市長)は、「上田(清司)知事には、映画祭開催当初から『10年10回はやってほしい』とお願いしている。そうすればもうやめられなくなる。来年はまさに10回。これからも日本を代表する映画祭にできるよう頑張っていく」と締めくくった。
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