桂三枝、襲名前に意気込み「文枝の看板を三枝が支えていく」
2012年7月2日 20:00
[映画.com ニュース] 7月16日に「六代 桂文枝」を襲名する桂三枝が7月2日、都内ホテルで「三枝 改メ 六代桂文枝襲名披露パーティ」を開催。これに先立って記者会見が行われ、三枝をはじめきん枝、文珍ら先代の五代目文枝一門20人が出席した。
三枝の師匠である五代目文枝が2005年に亡くなって以来、文枝の名跡は空いたままとなっていたが、昨年の7月に三枝が師匠の名を受け継ぐことを正式に発表。69歳の誕生日である7月16日に正式に襲名する。襲名を2週間後に控えた三枝は「まだ私にとって文枝の名は師匠のイメージが強く、いまは文枝と三枝の名のはざまにいる感じがします。師匠や代々の文枝の名を汚さずにやっていけるのか? というのが正直な気持ち」と心情を吐露。
名跡と共に先代の出囃子である「廓丹前(くるわたんぜん)」を引き継ぐことについても「『廓丹前』と言ったら師匠なので不思議な感じ。なかなか、自分になりきれないところがあった」と複雑な思いを明かす。それでも「文枝という名の看板が前に出てきて、それを三枝が一生懸命支えていくという風になると思います」と独特の表現で襲名の“覚悟”を口にした。
今後、1年以上をかけて襲名披露公演が全国で行われるが「いつもの独演会と違い、襲名興行は口上と一席だけの勝負。これから吟味しつつ、一席で満足していただけるようにがんばりたい」と意気込みを語る。小野ヤスシさんや地井武男さんなど、同世代の著名人が相次いで亡くなったことに触れ「いろんな方の訃報に触れ『私もあまり長くないかな』と思った」と弱気な一面をのぞかせつつも「私にはこうして19名の弟弟子、妹弟子がついているのでがんばっていきたい」と穏やかな笑みを浮かべて語った。
なお、1年前の時点では襲名後もテレビ番組に出演するときにはこれまで同様に三枝の名を使用すると語っていたが、改めてこれを撤回。「1年前は踏み切れずにいました。文枝の名でイスからこけたら失礼ではないかと。ですが『名を使い分けるとは何事か。ふさわしい(番組の)司会をやればいい』とある師匠からお叱りの手紙をいただきました」と経緯を説明した。ただ、これまで三枝の名で200を超える創作落語を発表しており「三枝作の落語を文枝の名でやっていきたい」と落語作家としては引き続き三枝の名を使用する意向であることを明かした。
弟弟子たちも「平成の文枝として、中興の祖として歴史に名を残すことを確信しています」(きん枝)、「奇しくも本日、民主党は分裂しましたが、我々は一丸となってがんばっていきます」(文珍)と兄弟子の襲名を祝うと共に一門の結束を誓っていた。
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