有森裕子氏、ライバル松野明美氏からの電報の感激
2012年6月16日 16:07

[映画.com ニュース] 元女子マラソン選手の有森裕子氏が6月16日、ドキュメンタリー映画「劇場版 ライバル伝説 光と影」の初日舞台挨拶を東京・ヒューマントラストシネマ有楽町で行った。
TBSで放送され好評を博した「ライバル伝説…光と影」「スポーツ人間交差点…光と影」に、放送時にカットされた40分以上の未公開シーンを加えた劇場版。江川卓氏と西本聖氏、有森氏と松野明美氏というスポーツ界の伝説的なライバル同士が再会を果たし、積年の思いを打ち明け合う。俳優の堤真一が語りを務めている。
有森氏は1992年、バルセロナ五輪の女子マラソン日本代表の最終枠をライバルである松野氏と争った。松野氏は代表発表の前日に異例の記者会見を開き、「私を選んでください」と直訴したが、バルセロナ行きの切符を手にしたのは有森氏で、銀メダルを獲得した。今回の企画に「簡単に向き合える過去ではないし、私自身も避けていたのかも。だから、出演のお返事に時間がかかってしまった」と複雑な胸中を吐露。それでも「オリンピックが開催されるたびに“選考問題”が取りざたされ、根本的な問題が解消されていないと感じていた。そろそろ真剣に考えないといけない時期」と語った。
20年ぶりの再会を果たし「前に進む材料になった」(有森氏)。この日、松野氏から電報で「お話できて本当に良かった。つらかったのは私だけじゃなかったと知り、心の中に残っていたものがスッとなくなりました。でも今でも『私なら金(メダル)を獲れた』と思っています。いつか一緒に走りましょう」とメッセージが届き、有森氏は感激しきりだった。
舞台挨拶には、TBSで「プロ野球戦力外通告 クビを通告された男達」など、数多くのスポーツドキュメンタリーを手がけ、本作の総監督を務める菊野浩樹も登壇し「つらい部分も取材させていただいたが、ご本人が良かったと思ってもらえれば。本当に感謝している」。今回の再会は、まず松野氏に打診したといい「松野さんから『以前からこうした企画はあったが、すべて有森さん側が断ってきた』と聞いて、いかに口説くか苦心した」と振り返った。
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