ハンガリーの気鋭監督、共産主義時代の思い出を熱く談義
2012年5月26日 22:15

[映画.com ニュース] ハンガリーの伝説的なロック歌手の半生を描いた「メイド・イン・ハンガリー」のトークイベントが5月26日、東京・京橋の国立近代美術館フィルムセンターで開かれた。EU諸国の映画を紹介する「第10回EUフィルムデーズ2012」の一環で行われたもので、同作を手がけたフォニョー・ゲルゲイ監督とMCを務めた田中千世子監督が、製作秘話とともにハンガリーの歴史と文化について熱く談義した。
1960年代半ばの共産主義体制のハンガリーが舞台の本作。両親とともにアメリカで暮らし、帰国したロック好きの主人公が、政府が企画したタレントショーに出場するまでの姿を描くミュージカル映画だ。実在するロック歌手の半生を題材にしており、自由に音楽を楽しめなかった政治的な背景も浮き彫りにしている。
自国ではすでにヒットしているが、フォニョー監督はその理由を「どの時代に生きている若者でも、自由を求めています。それは、政治的な自由なのか、親に対しての独立なのか。反発(する気持ち)があります。そういう若者の心が共通しているのだと思います」と分析。10代の若者や、親子2世代で鑑賞しに来る様子が多く見られたことに驚いたと語った。
製作にあたっては「良い映画を作るためには、いろんな苦労があります。脚本を書いてもらったり、お金を集めたり、キャスト、カットについてなど、すべてにおいてひと苦労ありました」と、素直な感想を吐露。最終的に完成した映像を見るまで緊張感があったと明かした。
共産主義時代については「悪いこともたくさんあったが、いいこともたくさんありました。同じ物をずっと使っていたこと、レトロな物を大切に使っていたということは良かったと思います。技術進歩が早く、次々新しい商品が出てくる日本では想像がつかないと思いますが、私が持っていたカセットプレーヤーは、15年くらい使っていたんです。2世代が使うことは珍しくありませんでした」と、思い出を交えながら語った。
また、映画関係の仕事をするためにアメリカで生活をしていた過去にも触れ「東ヨーロッパの共産主義の人にとって、アメリカ=自由だと思っていた」と、下積み時代の思い出を振り返った。
「第10回EUフィルムデーズ2012」は、6月16日まで開催。
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