日系ブラジル人のドキュメンタリー映画5月公開
2012年4月29日 18:00
[映画.com ニュース] ニューヨーク大学大学院映画学科を卒業し、2005年「ハリヨの夏」で劇場用映画デビューを果たした中村真夕監督の最新作「孤独なツバメたち デカセギの子どもに生まれて」が、5月26日から6月15日まで新宿K's cinemaで、6月30日から7月13日まで浜松シネマイーラほかで全国順次公開される。
本作は、日本とブラジルの2つの故郷で揺れ動く日系ブラジル人の青年たちの青春を追ったクロスカルチャードキュメンタリー。浜松学院大学の津村公博教授(共同監督)と中村監督、そして日系ブラジル人の青年たちのグループMinority Youth Japanの共同製作で、浜松とブラジルで孤独な渡り鳥のように、デカセギという運命に翻弄(ほんろう)されながらも、自分の居場所を求めて生きようとして明るく、強く生きる日系人の若者たち5人の2年半の姿を追った。
「日本で将来の夢はない、ブラジルに帰っても外国人あつかいされる……」。そんな日系ブラジル人の子どもたちが静岡県浜松市にはたくさんいる。彼らは、どんなに辛くても、生き生きと、底抜けに明るいが、08年秋、突然、おとずれた不況で仕事を失い、ブラジルに帰ることを余儀なくされる。そこには、あきらめられない夢、引き裂かれた愛、そしてもう一つの故郷でやり直そうという思いがあった。
出演は、佐竹エドアルド、鈴木ユリ、佐藤アユミ・パウラ、松村エドアルド、カルピノ・オタビオ。プロデューサーは津村教授、撮影は中村監督/津村教授/村井隆太/木村伸哉/佐藤アユミ・パウラ、編集も中村監督が手掛けた。後援は駐日ブラジル大使館、在浜松ブラジル総領事館、日本ブラジル中央協会。支援は国際交流基金。配給はアルゴ・ピクチャーズ。なお、現在、青年たちのその後を追った第2弾も製作中だという。
アルゴ・ピクチャーズの岡田裕プロデューサーは、「未曽有の大震災や世界的な大不況などにより、いま日本は戦後以来とも言われる厳しい状況を強いられているが、そんな時に地方からメッセージ性のある作品が生み出され始めている。そういった地方発の映画を、映画のプロとしてしっかりサポートしていきたい」としている。(文化通信)
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