小島藤子ら、中島らもさん偲び300本の“ちくわ投げ”
2012年2月25日 23:14
[映画.com ニュース] 2004年に急逝した作家・中島らもさんの実像に迫るドキュメンタリー「らもトリップ」が2月25日、東京のテアトル新宿で公開され、出演の小島藤子、嶋田久作、勝村政信、中野裕之監督らが初日舞台挨拶に立った。一同は中島さんが恒例としていた“ちくわ投げ”を行い、来場した観客に300本のちくわを振る舞った。
東京芸術大学の学生が企画・製作を務めた、中島さんを題材にした初のドキュメンタリー。中島さんの短編小説3編「クロウリング・キング・スネイク」(三間旭浩監督)、「微笑と唇のように結ばれて」(今橋貴監督)、「仔羊ドリー」(松尾健太監督)を映像化したフィクションのドラマと、中島さんと交流のあった各界の著名人へのインタビュー映像「らも語り」(中野監督)で構成されている。
青春ドラマ「クロウリング・キング・スネイク」に主演した小島は、「実は中島らもさんの名前しかよく知らなかったけど、お父さんが大ファンなので自慢してやろうと思って出演した。きっとらもさんはお茶目でかわいい方だったんじゃないかな。あのフリーダムな感じにあこがれる」と思いを馳せた。また、「芸大生は年が近い方が多かったので、意見交換したりしながら自由にやらせてもらった」と撮影を振り返った。
恋愛ドラマ「微笑と唇のように結ばれて」で一途な男を演じた嶋田は、「ラブロマンスものは恥ずかしくて、これが最後だと思ってお引き受けした。らもさんと直接面識はなかったけれど、らもさんのピュアな部分、男の弱い部分をうまく出せていればうれしい」。学生との仕事は、「プロと変わらなかった。各パート妥協せずに粘っていた」と感心していた。SFコメディ「仔羊ドリー」で主演を務めた勝村は、「らもさんのような素敵ででいかれた大人はもうなかなか出てこないと思う。この映画を通じてらもさんを知らない世代にも何かを伝えられたら」と語った。
中島さんと交流の深かった中野監督は、「らもさんもニヤっとしながら劇場に見に来てくれてると思う。らもさんはまだみんなの心の中に生きてる。もし映画が面白くなかったららもさんのせい」と冗談を飛ばし、故人を偲んだ。
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