庵野秀明、初プロデュース作を「まだ見ていない」と衝撃の告白
2011年9月3日 17:01
2005年、35歳の誕生日前日に急逝した女優・林由美香さんをめぐる愛の記録を、林さんの元恋人でもある平野監督が映画に仕上げた。平野監督11年ぶりとなる新作で、庵野にとっては初の実写プロデュース作品。インディーズ映画としては異例の都内シネコンでの独占先行公開となった。
約1年前から編集作業を続けてきた平野監督は、「ここまで来るのは長かったです。出産を終えたような気持ち」と感慨深げ。当初は「10年か20年くらい経って、気持ちが落ち着いたら作ろうと思っていた」というが、企画・製作を務めた甘木モリオとの出会いをきっかけに「覚悟が決まらないままに作り始めた。去年ぐらいにようやく出口が見えてきました」と生みの苦しみを口にした。
主題歌「しあわせなバカタレ」を含む音楽を矢野顕子が担当しているが、平野は「お客さんの気持ちの出口を作りたかった。ダメ元でお願いしたんですが、最初に(タイトルと詞を)見たとき、笑いながら泣きました」と明かす。
庵野は「平野さんが作れなくて苦しんでいるのを見て、何とかここで作ってほしいという願いのような気持ち」とプロデュースを務めた理由を説明した。だが、映画の感想を問われると「実は僕はまだ完成作は見ていないんです」と告白。会場のどよめきをよそに、「もう(自身の)来年の次回作に頭がいっているんで。『ヱヴァ』が終わってからの楽しみにしようかと思っています」とあっけらかんとした口調で語っていた。
この日は林の母で、人気ラーメン店「野方ホープ」の社長でもある小栗冨美代も来場。林の写真を掲げ、平野監督とスタッフ、観客への感謝の思いを口にした。
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