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99歳・新藤兼人監督、人生最後の舞台挨拶「ときどき思い出して」

2011年8月6日 14:27

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大竹しのぶから99本のバラの花束を贈られ 「重くて落としそうだ」と話した新藤兼人監督
大竹しのぶから99本のバラの花束を贈られ 「重くて落としそうだ」と話した新藤兼人監督

[映画.com ニュース] 新藤兼人監督の第49作「一枚のハガキ」が8月6日、東京・テアトル新宿と広島・八丁座で公開。新藤監督をはじめ、主演の豊川悦司大竹しのぶ柄本明倍賞美津子津川雅彦は、テアトル新宿で舞台挨拶に立った。

今作をもって引退を宣言している、日本最高齢・99歳の新藤監督をひと目見ようと、場内は満席。車椅子に乗った新藤監督が、孫で映画監督の新藤風に付き添われて登場すると、客席からは万来の拍手が沸き起こった。開口一番、「皆さん、今日はありがとうございました。映画監督の新藤です」と話すと、約1分間にわたり拍手が鳴り止むことはなかった。

戦争経験者である新藤監督自らの体験をベースに製作された意欲作。選択権なしに戦争へと駆り出された庶民と、残された家族の悲しみを真正面からとらえた力強いヒューマンドラマだ。新藤監督は、「もう何となく終わりだと思い、1本作っておきたいと思い皆さんに集まっていただいた。テーマは戦争反対。なぜ、戦争なんてバカバカしいことをやるんだ」と静かに訴えた。

そんな新藤監督に対し、柄本は「『石内尋常高等小学校 花は散れども』でも最後と言っていた。最後の映画がまだ続くんじゃないかと思う」と引退宣言を信じない。豊川も、「2度あることは3度ある。そのときはよろしくお願いします」。大竹にいたっては、「また最後の作品を、100歳記念で撮れればいいな」とほほ笑みかけた。

それでも、新藤監督は「何事も終わりがあるように、私も終わりが参りました。皆さんとお別れです」と言及。さらに、「『新藤はこんな映画をつくったのか』と、ときどき思い出してください。私は死んでいきますが、これだけが望みなんです。映画は私だけがつくったのではなく、皆さんと一緒につくったんだと思い出してください。そうすれば、私は死んでも死なない」と締めくくった。

なお、13日からは全国23スクリーンに拡大して公開される。

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