内山理名「理想をもたなくてもいい」 年齢を重ね変化した恋愛観
2010年9月24日 17:03
[映画.com ニュース] エピックレコードが企画する、映像と音楽の新たな形を創造するコラボレーション・ムービー・シリーズ「cinemusica(シネムジカ)」の第8弾「遠くの空」(井上春生監督)が9月25日から公開となる。同作に主演した女優の内山理名に話を聞いた。
内山が演じるのは、在日朝鮮人の母と今は亡き日本人の父の娘として育てられ、やがて運命に翻弄(ほんろう)されていくヒロイン美江。「監督があまり決め込まずに自由に演じさせてくれて、ワンカットで長回ししたり、私の中から沸き出るものを映し込んでいただきました。台本に沿うというより、シーンの背景をみんなで話し合いながら撮るという面白い現場でしたし、少人数で一体感があり、こんなに温かいと感じた現場も初めてでしたね」
美江と親子ほど年の離れた韓国人の上司、柳(ユウ)を演じたのは「ファン・ジニ 映画版」「パッチギ! LOVE&PEACE」などで知られる韓国のベテラン俳優キム・ウンス。「オーラがあって、こちらを緊張させないよう温かく包み込んでくれるステキな方でした。ハリウッドでも活動されていたようで、“現場の違い”などの話で盛り上がりました」
美江と柳はひかれ合うようになるが、そんな2人の間に1980年代の光州民主化運動にまつわる切ない真実が横たわる。
「光州民主化運動については全く詳しくなかったのですが、今回の映画を通じて、今の時代は本当に平和だなって思いました。それと日本人にはない、韓国人独特の“アツさ”ってあると思うんです。芯の強さというのかな。もともと韓国に興味があった人も、また違った視点で韓国の魅力を知ってもらえると思います」
世代も国籍も違う男性との恋を通して成長していく美江。演じる内山ももうすぐ30歳を迎え、人生観や恋愛観に変化が生まれたようだ。
「私自身、過去に何をどう考えていたのか忘れちゃうタイプなんですけど、10代のころは『誰よりも長生きしてたくさんの物事を見てやる!』と思っていましたね(笑)。でも今は、長生きだけがすべてじゃないと思う。恋愛観もそう。昔は25歳までに結婚して28歳までに子どもを産んで……ってガチガチに計画していたけれど、30歳手前になって、特に理想がなくてもいいのかなって肩の力が抜けたような気がします」