必然的に「プレシャス」役を引き寄せたガボリー・シディベの強運
2010年4月23日 19:27

[映画.com ニュース] 今年の第82回アカデミー賞で作品賞を含む6部門でノミネートされた話題作「プレシャス」が、4月24日から公開される。1987年のニューヨーク・ハーレムを舞台に、両親の虐待を受けながらもひたむきに生きていく黒人少女プレシャスの葛藤(かっとう)と再生を描いた同作で、映画初出演ながらタイトルロールを演じ、アカデミー主演女優賞にノミネートされたのがガボリー・シディベだ。
「もともと演技の世界には興味がなくて、心理セラピストになりたかったの。では、なぜオーディションに行ったのかと言われると、よく分からない(笑)。多分行くべきオーディションだったから運命的に行ったんだと思う。でも、オーディションの最中は自分がなぜそこにいるのか、役をもらえる理由も分からないし、時間の無駄だとも思っていたわ」
だが、オーディションの2日後には、リー・ダニエルズ監督から正式にプレシャス役のオファーを受けたという。詩人のサファイアによる原作小説を読み込んで役作りに励んだそうだが、原作者からのアドバイスは拒否したという。
「サファイアはプレシャスの生みの親なので『彼女がこうなのよね』と言ったら、それが絶対になってしまうから、彼女のアドバイスは聞かなかったわ。その代わりに監督とは徹底的に話し合ったわ。彼から言われたことで印象的だったのは、すべてのシーンで悲しく演じなくていいということ。つまり、プレシャスは人生のすべての瞬間において自己憐憫(れんびん)にひたっている娘ではないということなの」
そんなプレシャスに立ちはだかるのが、夫を実の娘に奪われたというもう想に取りつかれている彼女の母親だ。アカデミー助演女優賞を受賞したモニーク扮する母親とプレシャスが対決する親子ゲンカのシーンは同作最大の見どころだが……。
「モニークとの撮影は本当に楽しかったわ。劇中の雰囲気とは真逆よ。彼女の本業はコメディアンだから、すごく笑わせてくれるし、実際はとても優しい人。キャメラが回っているときにケンカしているからこそ、キャメラが回っていないときにはふざけて笑ってという現場だったわね」
プレシャスの悲惨な境遇に注目が集まる同作だが、シディベは「この映画を見ることで、より強い希望を感じて欲しい」と語る。「プレシャスのような物語を持っている人はもちろんだけど、そういう物語を持たない人にも希望を感じて欲しいわ。あと、希望と同じくらいに感じて欲しいのが、思いやりの心。この映画を見たことによって、他人を思いやる心を持ってくれたら本当にうれしいわね」
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