鬼才ヘルツォーク、「今のアメリカを象徴する、最高にダークな映画」
2010年2月26日 18:21

[映画.com ニュース] ドイツの鬼才ベルナー・ヘルツォーク監督が、ニコラス・ケイジを主演に迎えた最新作「バッド・ルーテナント」。92年にアベル・フェラーラ監督、ハーベイ・カイテル主演で製作され、その暴力性と宗教描写から話題になった問題作「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」を新たに生まれ変らせた同作について、ヘルツォーク監督が語った。
表向きは優秀な刑事だが、裏ではドラッグやギャンブルに興じる“悪徳警部補(バッド・ルーテナント)”のテレンス・マクドノー(ケイジ)が主人公。ある不法移民一家の殺害事件の捜査を担当したことから、テレンスの日常が思わぬ方向へと転がり落ちていく様子を描いている。ヘルツォークは「今のアメリカを象徴する、最高にダークな映画が現れてもいい頃だと感じていたが、この映画はそうなると直感したんだ」と語る。「これは新しいフィルムノワールで、暗い映画だが、非常に不可思議で文化的な雰囲気がある。40年代後半や50年代前半の、ハンフリー・ボガートが主演した映画のような雰囲気がね」
オリジナル作の舞台はニューヨークだが、ヘルツォークは今回、この堕落した人間を描く物語の舞台に、ハリケーン・カトリーナ直撃後の荒廃したニューオーリンズを選んだ。「ニューオーリンズは極めて重要な街になった。あのハリケーンが街ばかりでなく、社会構造も、家族も、倫理コードも破壊したからだ。すべての人々ではないが、洪水と嵐によって破壊以上の文明構造の荒廃がもたらされた。だからある意味、現在のニューオーリンズには、ストリートを歩いても、人々と話しても、そういった雰囲気が蔓延しているんだ。だからこそ、非常に生々しい状況が口を開けている、興味深い場所だと言える」

近年は大味なアクション大作の主演が目立つケイジは、アカデミー賞を受賞した「リービング・ラスベガス」を彷彿させる演技を披露。ヘルツォークは、ケイジとのコラボレーションを「実り多き仕事だった」と言う。「我々は大きな情熱を傾けた。お互いに学びあっているし、ふたりともこの作品にピッタリだと思う。我々は、お互いにこの映画を一緒にやるべきだと実感したし、やる作品が何であれ、素晴らしい、飛び切りのチャンスになると思ったよ。私は、自分が監督するならニコラスは契約するだろうと考えた。だから実現できてとてもうれしかったよ」
「バッド・ルーテナント」はプレシディオ配給で2月27日より公開。
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