大沢たかお、水戸藩士役に「すごく意味がある」
2010年2月7日 21:08
[映画.com ニュース] 大沢たかお主演の映画「桜田門外ノ変」の撮影に際し、茨城・水戸の千波湖畔に製作費約2億円をかけて建設された“桜田門外周辺オープンセット”が2月7日、同所で初公開された。主演で、大老・井伊直弼暗殺事件の指揮をとった水戸藩士・関鉄之介を演じる大沢は「人間として、男として、関さんと懸命に向かい合うだけ」と熱演を誓った。
同作は、1860年3月3日、幕政の改革を目指した攘夷派の水戸脱藩士の関ら18人が、井伊大老(伊武雅刀)を襲撃した事件を通じ、幕末の志士の生きざまを描く時代劇エンタテインメント。メガホンをとるのは、「男たちの大和」の佐藤純彌監督。同市が持つ東京ドームとほぼ同じ約1万3000平方メートルの土地に、昨年10月から約4カ月かけて、桜田門や彦根藩邸など江戸城の桜田門外周辺が史実に基づき、ほぼ実寸大で“再現”された。
この日は、彦根藩邸を出て登城する井伊大老の行列が襲撃されるクライマックスシーンをテスト撮影。一藩士が訴状を手に「奉る!」と叫びながら行列に突っ込むと、静けさが一転、幕末の騒乱をほうふつとさせた。襲撃を見届ける役目だった大沢は、劇中さながらに真剣な表情で同シーンに見入った。
同所で会見した大沢は、「俳優としてはもちろんですが、年も関さんと同じくらいで、男として人間としてこの作品と懸命に向かい合うことしかないのかな、と思う」と真っ直ぐなまなざし。くしくも、高視聴率を獲得した昨年10~12月放送のTBS系ドラマ「JIN-仁-」に続く幕末モノとなるが、「偶然。でも呼んでいただけるのは、時代の流れであったり、人が幕末のことを思い出すことが必要な時代だったりするのかなと思う。(幕末の男たちの)気概や思いが今、望まれ、求められていて幕末モノが注目されているのかなと思うし、自分たちにもそういう遺伝子は絶対ある。少しでもある気概をふくらませて、ぶつかっていきたい」と意気込んだ。
1月20日のクランクイン前に水戸入りし、同市内にある関の墓にお参りもしており「歴史に名が残る人たち以外にもいろんな人が国を思い、憂い、行動してきた。そこがすごくいいなと思って。今も同じ。政治家だけでなく国を思うことができる。この役を演じることはすごく意味のあること。いろんな人に勇気を届けられた」と抱負を述べた。
また、井伊と対立する水戸藩九代目藩主・徳川斉昭役の北大路欣也も会見に出席。「僕の出番は非常に少なめで、(劇中の)要のようなところで思いを吐露しますが、撮影は実は終わっている。大沢さんやスタッフともなごみ始めていますので、今ぐらいから撮影が始まるのが僕の理想だったんですけどねえ」。佐藤監督も、「今日は暖かくていい日ですが、撮影は渋滞です」とベテランらしからぬボヤキ節で、関係者の笑いを誘っていた。茨城県内を中心に3月いっぱいまで撮影で、10月公開予定。同セットは、クランクアップ後に展示館を開設し、一般公開する予定。
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