布施明、原作童話の映画化初日に感無量
2010年1月23日 13:54
[映画.com ニュース] 歌手の布施明が手がけた童話を映画化した「手のひらの幸せ」の初日舞台挨拶が1月23日、東京・有楽町スバル座で行われ、布施をはじめ主演の浅利陽介、河合龍之介、村田雄浩、生稲晃子、永島敏行、子役の小川光樹と西須隼太、加藤雄大監督が登壇した。
布施がデビュー40周年記念コンサートで披露した童話「この手のひらほどの倖せ」が原作。昭和30~40年代を舞台に、天涯孤独になった幼い兄弟が運命に翻弄されながら、互いの幸せを祈り成長する姿を描く。映画初主演の浅利は、「大変うれしく思います。とっても緊張しながら、不安いっぱい、元気いっぱいやらせていただいた」と振り返った。劇中ではフルート演奏を披露しており、「フルートのシーン、すごくなかったですか? 頑張ったんで(笑)」と自画自賛だった。
布施は、朗読がきっかけで書籍化、映画化と成長を遂げた同作に「今では僕のもとから巣立っていった違う生き物」と感慨深げ。昭和を生きる青年役の河合は、「この時代の男には、独特の美学があるなと。そういう魅力を出せればと思いながら演じた」。浅利演じる主人公を養子に迎える夫婦に扮した村田と生稲は、「昨年9月に娘が生まれて、子どもに対する気持ちが大きく変わった。試写では泣いちゃって、泣いちゃって」(村田)、「当時のお母さんは、私の母親も含めていつも動いていたような気がする」(生稲)と話した。
長年、撮影監督として活躍し初メガホンとなった加藤監督は「今の日本は疲へいしていて、皆さん苦しんでいる。この作品を通して、小さな幸せでいいんだと思ってくれるきっかけになればうれしい」とアピールした。