ケン・ローチ監督の新作はイラク「ルート・アイリッシュ」が舞台に
2009年11月11日 11:32
[映画.com ニュース] ケン・ローチ監督の次回作が、イラク・バグダッドの通称「ルート・アイリッシュ」を舞台にした作品になることが明らかになった。最新作「エリックを探して」はコメディタッチの作品だったが、社会派の名匠が再び戦争と政治というテーマに挑む。
英エンパイア誌によれば、次回作のタイトルはずばり「ルート・アイリッシュ」。ルート・アイリッシュとは、バグダッド空港と市内の米軍管理区域グリーンゾーン(現在はインターナショナルゾーンに改称)を結ぶ12キロに及ぶ高速道路のこと。03年の米軍によるイラク侵攻以降、米軍や米側の要人が頻繁に使用するため、テロ攻撃の第一目標とされる危険な道路として知られるようになった。
新作の主人公は、民間の警備会社からバグダッドに派遣された2人の英国人警備員。そのうちの1人がルート・アイリッシュで死亡し、当局から伝えられた死因に納得のいかない片割れが、真相究明に動きだすというストーリー。今回も脚本は、カンヌ映画祭パルムドール受賞作「麦の穂をゆらす風」ほか多くのローチ作品を手がけてきたポール・ラバーティが執筆にあたる。キャストも、マーク・ウォーマック(「アンダー・ザ・スキン」)、アンドレア・ロウほか、日本では比較的無名の英国の中堅俳優たちで固められることになりそうだ。