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ブルック・シールズのヌード写真差し替え騒動で、英美術館が大損害

2009年10月22日 11:30

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10歳の裸体はアートではなくポルノ?
10歳の裸体はアートではなくポルノ?
Photo:Everett Collection/アフロ

[映画.com ニュース] 英ロンドンの国立現代美術館テート・モダンが、現在開催中の展覧会で展示を予定していたブルック・シールズの10歳当時のヌード写真を当局の指導で差し替えたことで、大きな損害を被ることになりそうだ。

同館で10月1日から始まった「ポップ・ライフ(Pop Life: Art in a Material World)」展は、アンディ・ウォーホルダミアン・ハースト村上隆ら、メディアや商業性を巧みに利用して自らのブランドを築き上げたアーティストたちを特集した企画。

問題となったのは、濃い化粧を施した当時10歳のシールズの上半身裸の写真で、アメリカ人アーティスト、リチャード・プリンスの作品「Spiritual America」の一部として展示される予定だった。幼児のころからモデルとして活動していたシールズのマネージャーでもあった母親が、75年にギャリー・グロスという写真家に撮らせたもので、シールズ本人は81年にこの写真のネガを買い上げようとして失敗した経緯がある。

英イブニング・スタンダード紙によれば、この写真が展示されるというニュースに子どもの人権活動団体などが「児童ポルノにあたる」と抗議。さらに、会期前日にロンドン警視庁の猥褻印刷物取締班が同館を訪れたことも分かっており、その結果、写真はシールズが40歳のときに撮影したビキニ姿のものに差し替えられた。

こうして展覧会は幕を開けたものの、問題は、同展のカタログがすでに大量に印刷されていたことだ。テート・モダンでは、24.99ポンド(約3700円)のソフトカバー版カタログを1万部、35ポンド(約5200円)のハードカバーを2000部準備していた。一部、問題の写真の上にシールを貼って販売されたというが、販売を継続すると再び非難を受ける恐れもある。結局、合計5000万円近い商品が行き場を失う可能性があるとあって、同館側は頭を痛めているようだ。ちなみに、この同じ作品は過去にニューヨークのグッゲンハイム美術館でも展示されたが、そのときは特に問題にはならなかった。

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