CON-CAN映画祭グランプリ監督の新作が、ロカルノ映画祭に出品
2009年8月4日 12:00
[映画.com ニュース] インターネットで配信され、世界中の映画作家から注目を浴びるWEBベースの国際短編映画祭「CON-CANムービー・フェスティバル」の第6回エントリー作品80本の第1弾視聴者投票が始まった。
昨年の第5回で、全547本の短編作品の頂点である「魂観グランプリ」に輝いたのは、チャーラ・ゼンジルジ(トルコ・アンカラ出身、1976年生まれ)&ギヨーム・ジョバネッティ(フランス・リヨン出身、1978年生まれ)共同監督による「アタ(Ata)」。ウイグル語で「父親」を意味する同作は、仏クレモンフェランを舞台に、フランスに渡ってホームシックにかかったトルコ人女性と、中国・ウイグル地区から政治亡命して出稼ぎに来たウイグル人男性が、異国の地で心の絆を温めるという26分間の感動作だった。
昨年末の12月にグランプリ受賞した2人は、主催するメディア総合研究所の招待を受けて来日。わずか3日間の滞在の間に、新作の構想から撮影をこなし、協賛した東京都、パナソニック、Studio DUの協力のもと、短編映画を作った。題して「シックス(Six)」。東京の新宿ゴールデン街にある世界的映画作家に有名な老舗バー「ジュテ」を舞台にしたストーリーで、ママが不在のなか、見ず知らずの5人男女が一夜をともに過ごすという内容。出演者は全員、CON-CAN映画祭を主催するメディア総研の社員である素人で、協賛会社パナソニックのHDカメラが撮影に使われた。
そんな彼らの新作「シックス」が、今年は細田守監督のアニメ「サマーウォーズ」の出品に沸く、スイスの第62回ロカルノ国際映画祭(8月5日~15日)の短編映画部門コンペティションに選出されたのだという。CON-CAN映画祭グランプリをきっかけに不意に生まれた1作が、世界各国から2000本以上集まった応募作の中から最終の24作品に選出され、金豹賞を競うことになった。
ゼンジルジ&ジョバネッティ両監督は、現在初の長編作品となるパキスタンを舞台にしたロードムービー「You Are My Heart, You Are My Soul」を製作中。フランス文化庁主催の超難関だった京都ヴィラ九条山レジデンス・プログラムに選ばれた彼らは、翌10年から日本の京都を活動の拠点にする予定だ。