クエンティン・タランティーノ監督が「60歳で引退」プランを明かす
2009年7月17日 12:00
[映画.com ニュース] カルト的人気を誇る46歳の映画監督クエンティン・タランティーノが、60歳までに映画界を引退することをほのめかした。
今秋日本でも公開される戦争映画「イングロリアス・バスターズ」の最終編集を終えたタランティーノ監督は、金儲けのための映画を製作したくないと公言し、もしも映画の質が低下するようだったら潔く映画界から引退する、と米GQ誌のインタビューに答えた。
歳をとっても傑作を撮り続けているクリント・イーストウッド監督は例外中の例外だろうが、タランティーノ監督は同誌にこう語っている。「監督は、歳をとるごとにだんだん悪くなっていく。もし映画を作ることになっても、子どもたちの名門校の学費を払うためだったり、3人ぐらいの元妻への慰謝料を払うためだったりして、芸術性なんて二の次になってしまう。それが仕事なのにね」
今年5月のカンヌ国際映画祭の前に、タランティーノ監督は、ブラッド・ピットら豪華キャストが結集した戦争映画「イングロリアス・バスターズ」について、同作が大ヒットした場合に備えて、すでに続編ならぬ前編の準備に入っていることを明かしている。「半分ほど書かれたプリクエル(前日譚)のストーリーを持っているんだ」
「まったく同じ感じでね。バスターズの連中がヨーロッパ戦線で活躍する姿を描いたり、彼らがアメリカ南部に行って、その行為自体が1950年代のクー・クラックス・クランの私刑集団になったりね。まったく別の話を語れるよ」と、名脚本家でもあるタランティーノ監督はストーリーが生まれる限り、映画の道をゆくつもりだ。