末期ガン10歳少女のために特別上映!ピクサーが死の直前に少女の自宅へ
2009年6月22日 12:00

[映画.com ニュース] 劇場に足を運ぶことのできない末期ガンの10歳の少女の願いに応えて、アニメーションスタジオ、ピクサーのスタッフが自ら最新作「カールじいさんの空飛ぶ家」(全米公開中/09年12月日本公開)のDVDを持参、少女の自宅で特別上映会を行っていたことが明らかになった。少女は映画を見た直後に亡くなった。
この少女は米カリフォルニア州のコルビー・カーティンちゃん(10)。3年前から血管のガンとの闘病を続けていたが、今年5月頃から病状が悪化、余命いくばくもないことが分かった。
母親のリサさんの話によると、コルビーちゃんは、4月下旬にドリームワークスのアニメ「モンスターVSエイリアン」を劇場で鑑賞。その際に「カールじいさんの空飛ぶ家」の予告編に魅了され、「死ぬ前にどうしてもこの映画が見たい」と口にするようになったという。
「カールじいさんの空飛ぶ家」は、全米で5月29日に劇場公開されたばかり。リサさんと友人たちは、何とかコルビーちゃんを劇場に連れていきたいと策を尽くしたものの、病状がいよいよ悪化したためそれを断念。そこで、何のつてもないままピクサーやディズニー・スタジオに電話をかけ始めたが、電話に出たピクサーのスタッフは、その話を聞くと、同作のDVDを持った人間を派遣することをその場で快諾したという。
翌6月10日、ピクサーのスタッフは、「カールじいさんの空飛ぶ家」のDVDと、ピクサー・キャラクターのぬいぐるみをたくさん抱えて、コルビーちゃん宅を訪問。映画を見たい一念でがんばっていたコルビーちゃんは、すでに長い間目を開けていられない状態にあったが、リサさんの説明を受けながら最後まで映画を鑑賞。母親の「面白かった?」の問いに、「うん」と頷いたという。それから7時間後、コルビーちゃんは、両親に見守られて静かに息を引き取った。
「カールじいさんの空飛ぶ家」は、杖なしで歩くことができなくなった78歳の老人カール・フレドリクセンが、亡き妻エリーが夢で語っていた冒険旅行へ旅立つ決意をし、一軒家に数千の風船を付けて飛び立つという冒険ファンタジー。リサさんは、「おかげで娘はまさに “Up”(同作の原題)することができました。天国へと飛び立ちました」と、ピクサーの対応に感謝の意を表した。
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