オルセー美術館が全面協力。ジュリエット・ビノシュ主演「夏時間の庭」
2009年5月15日 12:00
[映画.com ニュース] 以前から、尊敬するジャン・ルノワールのような自然と人間の調和を描く映画を作りたかったと語るオリビエ・アサイヤス監督。彼がオルセー美術館20周年を機に撮った作品が「夏時間の庭」。印象派の絵画を彷彿させる緑豊かな一軒家を舞台に、先祖のコレクションを美術館に寄贈する家族の物語が情感豊かに描かれる。
「最初は美術館を使ってどんな映画ができるか、自信がありませんでした。私にとって美術館は、過去の作品が陳列された生とは切り離された場所を象徴するもので、一方映画とは少なくとも僕にとって生と関係のあるものだからです。でも逆にその違和感を利用して何かできないか、そう考えた結果、この物語を思いついたのです」
オルセー美術館の所蔵品を自由に借りることが出来た彼は、カタログから自然をテーマにした作品を選んだ。もっとも、映画の中でよく花を生けている家政婦に主人が芸術的価値の高い花瓶を与えるところなど、芸術品をショーケースに陳列する美術館への皮肉と受けとれなくもない。
「もちろん、歴史的価値のある芸術品を保存し一般に公開するという点で、美術館に意義があるのは認めます。ただ美術館と作品の関係は、もともとの持ち主とその作品との関係性とはまったく異なる。ある人の生活のなかで中心にあった作品が、美術館では数ある作品のひとつとなり、それぞれのバックグラウンドとは完全に引き離されたものとなって存在する。それが個人的には残念な気がすのです」
ところで、主演ジュリエット・ビノシュの相手役にクリント・イーストウッドの息子でありミュージシャンのカイル・イーストウッドを起用した理由は? 「出番が多いわけではないので存在感のある人を探していたのですが、キャスティング・ディレクターから彼がパリに住んでいて、ちょうどコンサートをやると聞いたのです。それを見に行ってその場で打診しました。僕は父イーストウッドの大ファンなので、カイルのことは彼らが親子で出演した『センチメンタル・アドベンチャー』(82)の頃から見ていましたからね(笑)」
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