キム兄、堂々の初監督作「ニセ札」公開で、期待よりも恐怖?
2009年4月10日 12:00

[映画.com ニュース] 戦後の混乱期に実際に起こった通貨偽造事件をモチーフにした風刺群像劇「ニセ札」で長編初監督を務めた木村祐一と、主演の倍賞美津子に話を聞いた。監督デビュー作が公開される率直な心境について「期待と同時に恐怖もあります」と、普段は強気なイメージが強い木村からは意外な一言も。その真意とは?
撮影は昨年の夏のことだったが、「撮影後も編集とかあるんで、いわゆる終わった感は全然なくて。でもこうして完成すると、別のドキドキがありますね」と木村監督。「僕自身、何事も恐怖というものが大前提なんです。不安があるからこそ、物事って成立するのかなって思いますし。自信だけだったら、すぐにへし折られて終わりですよ」
一方、かつての教え子にニセ札作りを持ちかけられ、いつしか事件の中心人物となる小学校教頭を演じた倍賞は、「最初はどうしたらいいのか迷ってる部分もあったけど、撮影が進むうち、どんどん監督らしくなっていました」と、現場での木村の監督ぶりを振り返る。青木崇高、板倉俊之(インパルス)、段田安則ら他のキャスト陣からも「木村監督は仕事が早い」と評判だったようだが、これには木村監督も「最初のうちは、何か指示を出す時も耳元でこちょこちょって感じでした」と照れ笑いを浮かべ、「撮影が順調に進んだのは、俳優さんたちが素晴らしかったから」と倍賞ら個性豊かなキャスト陣への感謝と称賛も忘れない。

ニセ札作りを描いた本作だが、スリリングな犯罪ドラマというよりは、むしろ人間が本来持つたくましさや滑稽さがシニカルな視点で描かれている。「戦争が終わったばかりだし、人々もやっぱり希望を持って生きたいと思っていたはず。だからその延長で悪びれることもなく、ニセ札作りを楽しんでいたんじゃないかと。そういう楽しい雰囲気は大切にしました」と木村監督。倍賞も「時代に対する怒りもあったと思うんです。ずっと帝国主義だったのが、急に民主主義になって、特に学校の先生たちは大変だったと思う。ニセ札作りが、国家に対する挑戦みたいな感覚もあったんじゃないかしら」とニセ札作りに奔走した人々の心情を語っていた。
「ニセ札」は4月11日より公開。
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