「レイン・フォール」原作者はジェット・リーより椎名桔平が好き?
2009年3月6日 12:00
[映画.com ニュース] 椎名桔平、長谷川京子、ゲイリー・オールドマンが出演、東京を舞台に殺し屋とCIA、やくざ、警察との攻防をスリリングに描いたサスペンス「レイン・フォール/雨の牙」が、4月25日に公開を迎える。日米のハーフであり、元特殊部隊員という殺し屋ジョン・レインのキャラクターを生み出したのは、かつて日本に数年間在住し、CIAの戦略スタッフとしても働いた経歴を持つ、作家バリー・アイスラー。02年の第1作「雨の牙」以降、“ジョン・レイン”シリーズを第6作まで(日本では第4作まで)発表している彼にインタビューした。
「映画化の話がスタートしてから、完成するまでに5年。途中で、製作が中止になるかもしれない時期もありましたから、(完成版を見たときは)やった!という気持ちでした」
93年の東京在住時に構想が生まれたという原作では、レインはベトナムで戦った経験を持つ世代として描かれており、現在だとおそらく50代になる。だが映画版で椎名が演じるのは40代のレイン。アイスラーには、彼はどう映ったのだろうか? 「正直言って、椎名さんは私が想像していたレインとはだいぶ違いました(笑)。でも、映画と小説は違います。小説家にとって50代は面白い素材ですが、映画的にはどうか?という問題があります。アレンジは必要なんです。原作者がよく勘違いしてしまうのが、“自分のアイデアこそが正しい。他は全部間違い”と思ってしまうこと。映画は、原作からインスパイアされた人が、多くのプロセスを経て作るものです。他の人のアイデアも尊重するという点にすごく気をつけましたね」
そういえば、「雨の牙」はジェット・リーが映画化権を買い付けたことも話題となった企画だった。「彼のプロジェクトがなぜダメになったか、私も知りません(笑)。彼の顔はどう見ても中国人ですから、“彼がレインをやるのか”と思っていました。もちろん彼のアクションは大好きなんですよ! その意味でも、日本人の俳優、椎名さんがレインを演じてよかったと思っています」