恥も外聞もなく便乗。「少林少女」ならぬ「少林老女」
2008年5月22日 12:00
[映画.com ニュース] 「痴漢男」「口裂け女2」などの作品で知られる寺内康太郎監督がカンフー映画に挑んだ「少林老女」が完成。5月21日、東京・原宿のKINEATTICにて完成披露試写会が行われ、寺内監督ほか、主演の浅見千代子、長澤奈央、千太郎が記者会見に登壇した。会場には大勢の報道陣が集まり、主催者側からは「箱(会場の大きさ)を見誤った」との発言も飛び出す、異例の盛り上がりを見せた。
本作は、人里離れた少林寺で修行を積んでいた“少林老女”こと美代子(浅見)が、ある日“一本足”と名乗る武術の使い手(長澤)に敗れ、ショー芸人として都会で人並みの幸せを味わうという、どこかで聞いたようなストーリー。
映画初主演となった浅見は、日本テレビ系列の番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」に、腰振りダンスを踊るキス魔のおばちゃんとして出演する名物女優(?)。この2週間の間に、なぜか主題歌まで担当することになったという流暢な日本語を操る黒人俳優、千太郎と絡みながら登場し、「一番難しかったのは少林寺の型。ヒザが悪くて足が曲がらないので、大変だった」と、腰をクネクネさせながら撮影を振り返った。
本作は、3月末に撮影され、それからわずか2カ月足らずで公開を迎えるという100%便乗映画。長澤は、「こんなに早く完成を迎えるとは。浅見さんとも仲良くなれたし、本格的なアクションも経験できて良かった」と笑顔を見せると、寺内監督も「こんなに反響があるとは! 自信を持ってお送りできる作品になったので、皆さんの反応が楽しみ」と、手応えをつかんだ様子。
その一方で、黒人演歌歌手ジェロを彷彿とさせる千太郎は、浅見にキスされ「ポリデント(入れ歯洗浄剤)の味がしました」とゲンナリ気味。「ガキ使」同様に声を出さない設定だった浅見は、質問されるたびに同席したプロデューサーに耳打ちして代弁してもらうのだが、小さな会場ゆえにヒソヒソ声は周囲に全部洩れてしまい……。それでも、「どこかの謝罪会見のようですね」と、細部までパロディにしてしまうおばちゃん的姿勢に、会場は爆笑に次ぐ爆笑となった。
「少林老女」は、5月24日より全国順次公開。
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