日本人が世界4大アニメ映画祭制覇!山村浩二監督「田舎医者」、東京凱旋
2007年10月22日 12:00

[映画.com ニュース] 第20回東京国際映画祭が開幕した10月20日、多様な日本アニメーションを世界に発信するanimecs部門のオープニング作品として、山村浩二監督の21分の短編アニメ「カフカ 田舎医者」がTOHOシネマズ六本木ヒルズで上映された。上映前には山村浩二監督が舞台挨拶に登壇。上映後には同監督とフランス文学者の池内紀氏との対談とティーチインが行われた。
同作品は、今年9月に行われたカナダのオタワ国際アニメーション映画祭の短編部門にて日本人初のグランプリ(最高賞)を受賞した作品。山村監督は落語を題材にした「頭山」(02)で米アカデミー短編アニメ賞に日本人として初めてノミネートされたほか、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭、クロアチアのザグレブ世界アニメ映画祭、日本の広島国際アニメーションフェスティバルにてグランプリ3冠を達成していたため、今回のオタワでの受賞によって、世界4大国際アニメ映画祭(アヌシー、ザグレブ、オタワ、広島)のグランプリを制覇するという、世界でも前例を見ない快挙となった。
今回フランツ・カフカの短編小説「田舎医者」を原作に取り上げたことについて山村監督は「カフカに出会ったのは20代。『田舎医者』に出会ったのも20代の時だが、この作品は世界全体の不透明さや不安な気分が10年前、20年前より確実に増している、現代の自分自身の気持ちととても近いところにあった。また、この原作をアニメーションにしたら面白いものになるという確信があった」と述べた。その理由ついて「原作を読んだ時から、かなり変形をしたり、時間の流れも伸びたり縮んだりするような感覚を感じていた。アニメーションは1枚1枚絵を積み重ねることで時間をゼロから創造できるメディア。この原作にある時間の伸び縮み、心理的な伸び縮み、そういう変化がアニメーションで作るのにとてもフィットしていた」と明かした。
世界的に高い評価を得た「頭山」との海外の反応の違いについては、「『頭山』は落語を題材に取り、花見や海水浴など日本人にしか分かりにくいような文化もあって、これほどまでに海外で受けるとは想像していなかった。逆にカフカという名前は世界中で知らない人がいない名前。ただ、カフカというと海外でもちょっと難しい、難解と捉えられがちですが、僕はこの『田舎医者』にエンターテインメント性、ブラックなユーモアを見ているんです。皆さんも力まずに楽しんで見ていただければ」と微笑んだ。
「カフカ 田舎医者」は11月17日よりシネカノン有楽町2丁目にてモーニング&レイトショー公開のほか、全国順次公開。声の出演は茂山千作、茂山七五三、金原ひとみほか。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった1秒のシーンが爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

186億円の自腹で製作した狂気の一作
【100年後まで語り継がれるはず】この映画体験、生涯に一度あるかないか…
提供:ハーク、松竹

なんだこの映画は!?
【異常な超高評価】観たくて観たくて仕方なかった“悪魔的超ヒット作”ついに日本上陸!
提供:ワーナー・ブラザース映画

すさまじい映画だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

“生涯ベスト級”の絶賛、多数!
「愛しくて涙が止まらない」…笑って泣いて前を向く、最高のエール贈る極上作【1人でも多くの人へ】
提供:KDDI

究極・至高の“昭和の角川映画”傑作選!
「野獣死すべし」「探偵物語」「人間の証明」…傑作を一挙大放出!(提供:BS10 スターチャンネル)