「サルバドールの朝」の監督が語る若者論と革命論
2007年9月27日 12:00

[映画.com ニュース] 70年代、フランコ独裁政権末期のスペインを舞台に、自由を求めて立ち上がったものの、警察との抗争を経て、やがて不当な裁判によって処刑された青年サルバドール・プッチ・アンティックの25年の人生を描いた実録ドラマ「サルバドールの朝」。本作のPRのためにスペインから来日したマヌエル・ヌエルガ監督にインタビューを行った。
「サルバドールの朝」はヌエルガ監督の2本目の監督作。1作目、2作目ともに偶然の出会いから出来上がった映画だとか。「今回は、昔からサルバドールについての映画を作りたいと思っていたプロデューサーが、私に持ってきた企画でした。もちろん主導権はプロデューサーにありますが、だからといって私がサルバドールの処刑に影響を受けていないということではない。あの事件が、17歳だった私の政治意識を変えたのです」
そんなヌエルガ監督だが、今の若者たちに対しては大いに不満があるという。「現代の若者には、サルバドールが持っていたような批判的なエネルギーがない。こういった傾向は日本を含む西欧諸国で見られることだが、非常に危険だと思う。快適で何も問題がなく、快楽やすべての自由が保証されているかのような状態に陥っていて、反“批判的”といった状態になっている。個人的に、若者というのは批判的な精神を持つ役割を担っていると思っているし、その批判精神によって現在の状況を変え、古い考え方を刷新していくエネルギーになりうるのにそれを全く放棄してしまっている。そういった意味で、私はこの映画で描かれているようなことが今も世界のどこかで行われているということを若者たちに認識してもらいたくて、この映画を作ったんだと思います」
最後に、現代社会で体制を変革させるにはどうしたらいいかを聞いてみると「体制というのは、いかに強固なものであっても、その体制を変える手段が必ず内包されている」と語った。「だが、その体制を変えるためには、市民、社会自体が、変革の必要性を強く感じなければいけない。もちろんそこに至るまでには情報や、明晰な頭脳、強い意志が必要になる。ただ、変革を求める意識を政治家が求めるわけもなく、社会の中からそういった意識、意志が自然と生まれてこないといけません。結局のところ、一人一人が意識を覚醒させることが社会を変えるための第一歩なんだと思います」
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