「クリムト」監督が語る。「マルコビッチはマストロヤンニと同じ」
2006年10月27日 12:00
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「クリムト」監督が語る。「マルコビッチはマストロヤンニと同じ」

19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したオーストリアの天才画家グスタフ・クリムトの破天荒な人生を映画化した「クリムト」。何に対しても自由奔放なスタイルを貫き通したクリムトが、死ぬ直前に見る夢と記憶を通して彼の生きた19世紀末のヨーロッパ、そして彼自身の人生を映し出すというラウル・ルイス監督お得意のスタイルで描かれたファンタジードラマである。本作のPRのため来日したルイス監督に話を聞いた。
幻想と現実を行き来しながら、物語を語る作風で知られるルイス監督は、日本公開作品こそ数少ないが、活動の拠点であるヨーロッパを中心に、この20年間で50数本の映像作品を手がけているベテラン。「見ての通り、それほどエネルギッシュではありませんが、私の作る映画はメインストリームの作品ではないので、賞を獲らなければといった悩みがないのですよ」と謙遜するが、創造力はまだまだ健在。クリムトの作品から、次々と映画のアイデアが浮かんでいったという。「この映画ではクリムトが好んで用いた金色、赤色を使ったシークエンスが沢山あります。私は彼のいた世界の、未だに実在する建造物や作品、そして原寸大に作ったセットなどドキュメントの部分に、クリムト自身が見た“夢”の部分を組み込ませようと試みました。要するに、私がこの映画で描こうとしていたのは、間もなく死のうとしているクリムトの頭の中にある映像だったのです」
また過去2作でコンビを組み、本作でも天才芸術家クリムトの魂を見事に体現した名優ジョン・マルコビッチの魅力を聞くと「彼は、役の中で“使い分け”ができるのです。クリムトという人格はもちろん1人の人間なのですが、マルコビッチは各シーンごとに、クリムトの性格のどの側面を出すか使い分けて、上手く度合いを計ることができました。フランス語で何もかもごちゃ混ぜにすることを『同じバスケットの中に全部の卵を入れる』と言いますが、マルコビッチの場合は、全部の卵を入れない人ですね。これはマルチェロ・マストロヤンニも同じでした」と語った。「クリムト」は10月28日ロードショー。
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