「ブロークバック」出演者、ギャラをめぐり訴訟
2006年3月28日 12:00
「ブロークバック・マウンテン」に出演したランディ・クエイドが、出演料アップを求めて訴えを起こした。やがて恋に落ちる2人のカウボーイを雇う牧場主役で出演したクエイドは、出演交渉の際、「低予算で、商業的に成功する見込みのないアート映画」との説明を受けて、出演料カットを受け入れたという。しかし、その後クエイドは、「ブロークバック・マウンテン」がハリウッドのメジャースタジオが製作を手がけ、しかも製作費も、当初聞いていたより数百万ドルも高いということを知ったという。詐欺にあったと主張するクエイドは、ユニバーサル映画のインディペンデント映画部門のフォーカスと、プロデューサーのジェームズ・シェイマスに対し、1000万ドル(約12億円)の損害賠償を求めている。
ちなみに、1500万ドル(約17億5千万円)程度で製作された「ブロークバック・マウンテン」は、すでに1億6千万ドル(約187億円)もの収益を上げているが、平均製作費が6000万ドル(約70億円)というハリウッドにおいて低予算映画であることには変わりなく、また、同性愛というテーマを扱っているだけに、ここまでヒットするとはだれにも予想できなかっただけに、クエイドの主張が通る可能性は低いと専門家は見ている。また、メジャースタジオが映画に関わっていることを知らされなかったという主張に対しても、フォーカスがユニバーサルの傘下にあることはハリウッドでは周知の事実で、クエイドには不利な裁判となりそうだ。