ある閉ざされた雪の山荘でのレビュー・感想・評価
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最後の最後まで目が離せない傑作
観たあとに誰かと話したくなる映画
原作未読で鑑賞したのですが話に入り込みやすく未読だからわからないと置いてきぼりになることはありませんでした。
何重にも重ねられたトリックという触れ込み通り何度もあっと驚く展開に息を呑んだり泣いたりととてもよかったです。
終わったあともあそこはこう、ここはこう、とたくさん考えられるようになっており、あなたはどう思った?と誰かと話したくなる映画でした。
1人で見るのももちろんですが、誰かを誘って観に行ってもとても楽しめる作品です。
見る側の感性も試される鏡のような作品
初日に1回見て、翌日原作読了し、2日後に2回目を見ました。東野さんの作品はデビュー作から沢山読んでいますが、この小説は未読でした。なので、映画で初めてこの物語に出会いました。
最初はゆっくり、静かに淡々と進み、時々間のびしてる?様な感すらありました。事件が起こっても、どこか怖さを感じ切れない部分もあり(設定上)、これ面白いんかなと少し不安になりそうな時もあったのですが、、、
途中からジェットコースターが降下するようにぐいんと引き込まれます。謎解きが始まったらスピードが加速、さらに加速、する感じで止まりません。最後は良い意味で頭を殴られた感じになります(言い方が乱暴ですみません)。
前半フワッとしている部分は全て意味がある事が、勘のいい人は見終わって分かるかも。あまり勘の良くない私は2回目の鑑賞で理解しました。あの映像、シンプルなBGM、衣装についても、全部計算されていることがわかります。
小説を読んで更に分かったのは、小説自体の設定が元々かなりチャレンジングだということ。あと、最後の結び方は、「残る感情」は同じものの、その見せ方が違うということです。これは、映像化したから「こそ」可能(というかパンチの効いた演出)になった幕引きなのだと、小説を読んだ方は分かると思います。ちなみに小説はかなり昔の作品で、その頃の作者さんの瑞々しさと少しの粗さも感じる作品でした。
どこまでがネタバレありコメントになるのか非常に難しいのでアレですが、映画班の方が原作をリスペクトしている事、映像、音楽、衣装、キャスティング、総力上げてこのスルメのような、2度3度美味しい映画を作られたのだろう事が分かり、その苦労に頭が上がりません。実写化、めちゃくちゃ大変だったと思います。原作と違う点もあります。工夫されています。
あと、なんか、〇〇ぽいな...って漠然と思っていた自分の感覚が最後に正解だったと分かり、個人的にはめちゃくちゃ嬉しかったです。やっぱりな、そういう作りか、という。
ただ。身の毛もよだつ殺人事件が起こり、その犯人は誰?意外な犯人だった、ビックリ!スカッとシンプル解決大団円!というタイプの推理劇が好きな人にはやや咀嚼するのに時間がかかるかもしれません。
友達のお子さんで小中学生さんも行かれていましたが、分かったし面白かったと言っていました。深い所まで分かったかは分かりませんが、
細かい所を見落としても展開の面白みは存分に味わえるかと思いますよ。
なので、この感想のタイトル通り、見る側も試されるような、挑戦状のような作品だと思います。漫才コンテストの審査員がどう審査するかも視聴者に見られているように、この映画をどう感じたかを書く事は、自分の感性を浮き彫りにする事にもなるかと思いますが、、、私個人の感想を思い切って書いてみました。
映画、2回目を見たいと思ったのはこれが初めてです。東野圭吾さんの小説を読み終わった後、もう一度最初から見直したくなるような。そういう読後感も似ていて、そこまでも狙ってるのかな?と思いました。
実は前に見た推理ものの映画で、序盤のひと言の不自然さで「あ、この人犯人じゃん」って分かってしまった事があって。そうなってしまうと、2度目を見たいとはまず思わない。この映画は読めなくて、色々騙してくれて、面白かったです!今度、最終確認の3回目見に行きます〜
パンフレットも原作も読むと(観てからでも良いかな)より楽しめるかと思います。
全くのネタバレをなく観に行ったので誰が犯人なんだろうと予想しながら...
全くのネタバレをなく観に行ったので誰が犯人なんだろうと予想しながら楽しめました。
一人一人の個性などをわかりやすく表現できていたと思います。
ミステリーというジャンルの映画はあまりみないので好きな人からしたら物足りなさとかはあるかもしれませんが、みないものからしたら難しさもなくみやすかったです。
原作はまだ読んでいないので読んだ上でまた映画を観に行きたいなと思います。
気を楽にして、余白をも鑑賞後は楽しめる映画です。
原作未読で4回ほど鑑賞したのですが、
登場人物たちが劇団の俳優たちなので、演技力はもちろん、舞台をみるような感覚にもなるような作り方をしているため、こだわって選ばれた俳優陣の表現力にただ、ひきこまれるばかりです。
キャラクターひとりひとりが、今回の劇場版をするにあたりしっかりと色付けしてあるため、ポジションや特性も解りやすくされていて、初見やミステリー初心者でも関係性の把握もしやすそうでした。
原作が92年作の時代背景から、現代の20代の男女が陥るリアルなシチュエーションとして細かくアップデートされて、小道具の使い方も日常感があるため現代のミステリー映画として鑑賞できます。俳優陣のファンの方々も若い方が多いかと思われるので、そんな方々も身近に感じながらストーリーに入れると思います。
ストーリーはミステリーが原作なので、もちろんトリックもあり、人間模様や経緯もありますが、どちらかというと人間模様を楽しむ見方が私は楽しいと思いました。
主役を勝ち取るオーディションの中で俳優たちが陥る事件は、登場人物の心理を思うと恐ろしいと感じるものがありますが、人物たちはそれぞれの為に動き、解決しようとします。
その人物たちの動きやキャラクターは楽しんで観られるように作られていて、監督さんが話していたように見所のひとつだと思います。
勧善懲悪や「解決してめでたしめでたし」というな事件解決や答えを出す事が目的のミステリーと違って、ラストまでみて、感想や解釈を語り合って楽しむところまでワンセットにして楽しむミステリーでした。
主題歌に選ばれたWEST.の『FICTION』はよく聴くと、歌詞が登場人物の心理や動きに沿っているワードが多く、映画館で聴くエンディング曲として、とても良かったと思います。
ここまで感じながら観ると、今度は人間に着目してみてみようと視点が変わるかもしれません。
俳優の方曰く、青春群像劇とも話していた事がとても腑におちました。
気楽にみることができる要素も多くあり、楽しめる映画です。
ラストを踏まえて、もう一度見たい!
もしかして3重構造じゃなくて4重構造では…
原作未読で鑑賞。
30年ほど前の原作ということもあってか、見た目のド派手な展開や仕掛けはないものの、それが逆に私は個人的に好きでした。
この感想を書いているのは2度目の鑑賞の後なのですが、2度目は、今この場面は芝居(嘘)なのか、本気で言っているのか、どこからどこまでがフィクションなのかなどと考えながら観ました。
ミステリーだがちょっとした笑える場面が挟み込まれていたり、仲間を思う間宮さん達のお芝居は人間ドラマとしてほろりと来たりしました。
そして最後の最後の最後にもう1段階のどんでん返し的な4重構造目がありますよねこれ…?
舞台のポスターをよく見ないと気づかない…
それに気づいた時、うおお…となりました。
次は原作を読んでからまた観たいと思います。
※追記※
観終わった後に色々と考察していたら、もしかして最初からあの人とあの人が手を組んでた?とか、
だからあの演技はああいう感じだったのか、
などとじわじわハマってきて奥が深すぎる!
久我の第三者感、そういうことか!とも。
裏の裏に気付かずに終わっちゃった方たち、勿体無い、その裏に理由があるんだだからああいうお芝居なんだこれ…
2回目も別視点から楽しく鑑賞できる映画初めて。
最後に何度も来る衝撃
友達、恋人、1人で見ても盛り上がる映画
「死ぬ気で芝居しろ」「それでも生きてくれ」
2024年映画館鑑賞8作品目
2月17日(土)イオンシネマ新利府
1800円→dポイント−300円
原作未読
原作は『ガリレオ』シリーズ『新参者』シリーズ『マスカレードホテル』シリーズ『白夜行』『天空の蜂』『ラプラスの魔女』『人魚の眠る家』『パラレルワールド・ラブストーリー』の東野圭吾
監督と脚本は『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』『風俗行ったら人生変わったwww』『ステップ』『野球部に花束を』『宇宙人のあいつ』の飯塚健
脚本は他に『LUPIN THE IIIRD』3本の企画を担当した加藤良太
舞台芝居のオーディションに合格した若い俳優7名は稽古のため海に程近い貸別荘に集まった
久我を除く6名が所属する劇団の演出家東郷の指示によって閉ざされた雪の山荘で殺人事件が起きる設定で稽古をすることになった
設定を守る為に携帯電話使用禁止外出禁止
そんななか笠原元村雨宮が次々と殺された形で退場していった
日付は今年の3月初旬の期間
原作の舞台は乗鞍山山荘だが映画のロケ地は館山市の貸別荘
原作の設定通りに拘りすぎる堅物には残念なことかもしれませんが自分は賢明だと判断します
これは芝居か
実際に殺人が起きているのか
そこがミソ
実際のところいずれにしても芝居なんだけど
三重構造らしいが逆に展開が読みやすくなった
ツッコミどころは多い
例えばアイマスクで移動する必要性はない
その他にも3人のうち雨宮だけが派手に飛ばされすぎ
その他にもある
だがそれは全て些細なことだ
大事なのはそこじゃない
実際に世の中だって辻褄が合わないおかしいなことはいっぱいある
3人は悪くない
謝罪したとはいえ謝罪した方が必ずしも悪いとは限らない
歩きスマホしていた麻倉と前方不注意の運転手が悪い
そう簡単に仲直りできるかというがこれ作り話だしそもそも怨みつらみに拘るより下半身不随の彼女からすれば役者稼業復帰は幸せなことだろう
不満をぶちまけるのは一瞬の快楽であり長い目でみれば怒ってばかりの人生は大損であり不幸せなまま一生を終えてしまう
賛否両論だが酷評している人たちはみんな頭が良すぎるんだろう
高評価してる人は適度に頭がいいか自分のようにバカなのかもしれない
バカで良かった
バカの方が幸せだ
目が肥えてくると細かいところばかり気になってダメですね
それを指摘することに喜びを感じるんでしょう
自分はあまり好みませんがそれもありです
ただ頭が良すぎると碌なことがない
辛口映画コラムを読んでも好みや価値観が違うんだからなんの得にもなりません
直属の上司ならお断りです
優秀すぎる人はうざい
出張ばかりで現場にはあまり来ないで欲しいですね
若い時の「いちいちうるせーよ」とおじさんになってからの「いちいちうるせーよ」は重みが違います
映画なんて娯楽なんだから楽しんだもの勝ちです
僕はこういうタイプの映画が好きだ
限られた空間で話が進む作品
『十二人の怒れる男』『12人の優しい日本人』『十二人の死にたい子どもたち』『キサラギ』『CUBE』などなど
それらとは違うが大部分の生放送本番シーンに限れば『カメラを止めるな』もグループ内に入るかも
最後の舞台オチも嫌いじゃない
プロフィール写真のポージングは嫌いだ
映画のタイトルは忘れたが写真撮影で賀来賢人がカッコつけてあんな風に次々とポージングするシーンを思い出した
『オタクに恋は難しい』だったような気がするが自信はない
取り立てて好きな俳優が出ているわけでない
自分なら楽しめそうな映画だと強く感じたから映画館で観た
強いてあげるなら岡山天音か
人相からいって彼が犯人っぽいが犯人ではなかった
能年玲奈のようなトンチンカンなキャラが乱入したら「犯人はお前だ!ブサイクだから!」と言いそうなものだがそんなシーンはない
あの髪型でキモさがますます際立った
自分的にはなりたくない顔ワースト10にランクインするが1人くらいキモいキャラがいた方が良い
配役
劇団「水滸」以外で唯一のオーディション合格者の久我和幸に重岡大毅
役を巡って温子と対立する劇団「水滸」の劇団員の中西貴子に中条あやみ
元村に想いを寄せる劇団「水滸」の劇団員の田所義雄に岡山天音
劇団「水滸」の劇団員で社長令嬢の元村由梨江に西野七瀬
劇団「水滸」の劇団員で演出家東郷への枕営業の噂がある笠原温子に堀田真由
劇団「水滸」の劇団員でリーダー格の雨宮恭介に戸塚純貴
交通事故で下半身付随になってしまった劇団「水滸」の劇団員の麻倉雅美に森川葵
劇団「水滸」の劇団員で喫煙者の本多雄一に間宮祥太朗
劇団「水滸」演出家の東郷陣平の声に大塚明夫
2月22日(木)追記
森川葵だけ終始脂っこい芝居をしていた
明らかに熱量が違う
麻倉が1番の実力者だということを表現するために周りが抑えた芝居をしたとすれば大したもの
バスのアイマスクは女子劇団員3人が男子劇団員3人を仲間として信頼してることが窺い知れる
出発時冗談混じりに念の為クギを刺したかもしれないけど
貸別荘を上から見た見取り図に今誰がどこにいるかわかる演出は好き
間宮が主演した『変な家』を意識したものと感じるのは邪推か
貸別荘に7人が入った時の玄関の靴を脱いだ光景が印象的
女子3人は靴をきちんと揃え向きを変え男子4人は揃いも揃ってだらしなく靴を脱ぐ
4人いたら誰か1人くらいきちんとしててもいいじゃない
っていうかこのシーンは必要あるの?
飯塚監督の意図を知りたい
とにかく2回目が面白い
ミステリー作品が好きで、小説や映画を日々物色しています。
東野圭吾作品ということで、楽しみに映画館へ。
映画はとても分かりやすく、丁寧ななぞ解きに時間が割かれていて、
誰一人取り残さない、SDGs。。
ミステリーをあまり見てきていない方でも、映画の内容を一発で理解できてわかりやすいのではないでしょうか。一方で、ここどういうこと?というところも1回目ではあったり。。
その後、友人の付き合いで2回目を見ることになったのですが、この2回目が一番面白かった!この人のこの言葉や目線にはそういう意味が込められていたのかと発見が多く、作品の奥行を感じました。1回目のここはなぜ?というところも推理しながら見ることで、面白さが増します。
個人的には間取りを丁寧に書いてくれている、パンフレットの購入までお勧めします。
新しい映画の撮り方も見れるような面白い作品だと思います。
強いて言うなら、もっと個人のパーソナリティを引き出すと、もっと共感やキャラクターに愛着がわいたかも。ミステリーで体感時間は早いので、参加者感でギスギスした感じなど見たかった。
主演の重岡くんは、「普通」を演じることができる、という点がとても素晴らしいと思いました。どんな少しの場面でも印象を残す天音くん、自分の役割をわかって演じている間宮くん、流石でした。
多分この映画の最終的な解釈、3つくらいあると思います。あなたのお好きな解釈にたどり着けますように。
脚本と演技が秀逸
「わからない」≠「おもしろくない」
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