ある閉ざされた雪の山荘でのレビュー・感想・評価
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一層目と二層目の間でうろつく
このミステリーを楽しむポイントは、オーディションの仕込みなのか本当の事件なのか分からないところにある。
実際に、間宮祥太朗演じる本多がその多くを仕組んでいたのだから、オーディションとして先生が全てを仕組んだ可能性は常にあった(観ているコチラの感覚では、まあ事件だろうなとは思うわけだが)。
山荘にいたメンバーもオーディションなのか本当の事件なのか分からないから困惑し、とりあえず様子を見ようみたいな空気になるり、そこが面白い(実は久我と田所以外は知っていたので演技だったわけだが)。
先生から犯人をさがせと指示されているにもかかわらず、コイツら犯人探しほとんどしないなと思って観ていたけれど、田所と久我以外は違うことを考え「演じて」いたわけで、本多が仕組んだプロットに犯人探しのパートがなかったのだろうと想像できる。
つまり、犯人探しをしないというところが、観ている私たちに向けた謎解きのヒントだったわけだ。
付け加えるならば、本多は良い脚本家ではなかったということにもなり、久我にはその才能があるかも?と思わせられる。
主人公であり、この作品の探偵役でもある重岡大毅演じる久我が、謎解きの時に言った。三層構造であると。
その一層目と二層目の境で観ている私たちはウロウロすることになる。
そして三層目が、ミステリーのトリックと言える部分にあたる。
コイツら全員怪しいと気付ければ探偵役になれたかもしれない。
ラストにもう一つ、久我の言う三層構造とは、久我から見た場合のみであるところが面白い。
つまり、この作品を観ている私たちの目には、久我が謎解きをするという四層目が存在する。
更に、エンディングや、作中で野外の景色が変わるところから察するに、最初からラストで演じられる舞台を私たちは観ていた可能性が浮上する。五層目である。
五層もあった入れ子式の物語構成の中、一層目と二層目の間だけでほとんど楽しめてしまうのだから満足できないはずがなかった。
原作の改変が巧みだと感じた
Amazon Prime Videoで鑑賞。
原作は既読。
ストーリーや登場人物の設定(舞台俳優)が相まって、まるで舞台劇を観ているようだった。原作の改変が巧みだし、俯瞰した平面図で登場人物の動きを見せる手法も面白い。
肝心の謎解きシーンで、主人公がある人物を招き入れるのが腑に落ちなかったが、作劇上致し方無いことかもしれない。
原作には無いラスト・シーンが良かった。一瞬、蛇足でキレイごとじゃないかと感じたが、観ている内にみんなのその後を描いてくれたのが単純に嬉しいと云う想いが強くなった。
だが、観終わってしばらくしてから、このシーンさえも、もしかしたら仕掛けなのかもしれないと思い当たって戦慄。
ラストまでの出来事は劇中劇だったのか、それとも本当にあった出来事なのかが最後の最後で曖昧になる秀逸な展開だったと気づかされた時、映像化した本当の価値を知った。
ドキドキしないミステリー
原作を知らないから、楽しめたと思いたい。話の流れから犯人は、わかると思う。どんなトリックなのかは、ほぼ終盤までわからず。
死体がなくなるのはなぜなのか?井戸のシーンは、その中まで見せてほしかった。
ストーリーの流れは、きれいにまとまっていて、非常良かったと思う。
原作読んでみよう。
何度見ても自由に考察できる映画
どんでんがえしです。
自分は単純な人間なので、面白かった。とてもです。何重にもトリックがしかけられていた、流石に東野圭吾です。角面々の演技が素晴らしいので、観客としてすっかりとハマってしまいました。最後はそーだったんだぁ・・・。納得。スッキリして帰りました。
演劇好きだから…
予想外
面白かったです。
この人が犯人なんじゃない?って疑わしいような設定がたくさんあって頭を悩ましました。
ラストは本当に予想外で、最後まで楽しんで見ました。
こういう先が読めないストーリー好きです。
東野圭吾ファンとして
気になる俳優さん達のお芝居をじっくり堪能出来る映画だった。
原作とはまた違う色を感じたけど、作品へのリスペクトは伝わってきたし、映画のこのラストはこのキャスト8人だからこそでいいと思った。
重岡大毅さんを筆頭にこの8人のお芝居をじっくりと見る事が出来る素敵な作品だった。
何重構造かが大事
最終場面以外は面白かったです。
ミステリー初心者としては面白かったです。
主演の演技が不安でしたが始まれば気にすることなく見れました。
間宮祥太朗さんの演技が特に良かったです。首を絞め殺すシーンは見ててハラハラしました。
以下星を減らした理由
最終場面でかなりスポットが当たる方に感情移入しにくいです。急に出てきて急に語り始めたなぁと思いながら見てました。(ストーリーの都合上最後しか出れないし無下にも出来ないし仕方ないとは思います。)
主人公の言動の1つが明確に浮いてる気がします。伏線だと分かりやすくて少ししらけました。
金田一少年のオペラ座の怪人を思い出した
観ている最中は「人狼ゲームじゃん」と思っていたら、金田一少年の事件簿の初期の傑作オペラ座の怪人に似ているなと感じました。あのオペラ座の怪人のワクワク感があり、悲しげな音楽がマッチしていました。
1回の観賞では把握出来なかった疑問点が主に2つ出てきました。
・なぜ久我が雅美の居場所が分かったのか?
盗聴器が仕掛けてあったようですが、なぜ居場所が分かったのかな?
・犯人の殺害動機が薄いのではないか?
車椅子状態になった事故は突発的事故のような気がするけど、ノートの嫌がらせがあったとしても殺害まで企てるかな?
腑に落ちない部分はあったけど、東野圭吾の原作の中では、けっこう面白い作品だと思います。
しっかりサスペンスストーリーに。
予告編を観る限りあまり期待していなかったが、しっかりとサスペンスストーリーになっていた。
さすが原作者東野圭吾。舞台論と演技論も考えさせてくれる話になっている。
出演俳優では岡山天音の存在感が際立つ。彼の助演は文句なし上手い。彼がいてこそ作品が
しっかり成立していた。
重岡大毅が演じた久我の役割が分かりづらかったのは物足りない。
細かいところにひっかかる点はあるが
演技か、事件か。現実か、舞台か。
原作を読まずに映画を観ました。細かい部分に違和感を感じていたので、結末を知って納得しました。
確かに映画っぽい壮大なストーリーではないのかもしれないけど個人的には面白かったです。
優しい嘘だったなかな。
そして、映画の結末が分かった上で、原作を読みました。原作を読んでから改めて映画を振り返ると映画の本編は果たして現実で起きたことだったのか、舞台の上のお話しを見せられていただけなのか、1番原作と映画とキャラクターが異なる久我和幸はただの実直な青年だったのか。。。色んなことを疑いたくなりました。
行間を読まなければならない部分が多いからこそ、人によって様々な感想が出てくる映画かなと思います。でも、先生の声が明らかに声優さんの声?なのが先生が実際に登場したりしないのが明白でネタバレ感あったのはちょっと残念だった。
流石東野圭吾さんの作品!!
30年以上前の東野圭吾さん原作の作品
良いミステリー作品やったと思う。
最後までだれることなく観れたし
観ていて騙された!とも思えた。
あと映画観た後知ったんやけど原作が
30年以上前の作品と知ってびっくりした。
映画は2024年設定やったしそれが全然違和感
なかったしね。監督が凄いのかな?
エンディングが原作と違う映画オリジナルの
エンディングらしいけど僕はこのオチ
好きやわ。というかこのオチが一番
奇麗だと思う。
全体的な感想として良い意味で予想外れた。
裏切られたと思えたしこの作品を観れて
良かったと思えた。
ただ、洋画みたいにど派手なアクションとか
ものすごい爆発とかはないんで
別に映画館で観なくてもよくね?とは
ちょっと思った。面白い作品なんだけどねー
見方による
個人的には面白かった。
だが、見方による。
ミステリを観に行った客にはただのつまらない映画であり、睡眠時間だろう。この映画はミステリではない。その点を踏まえて、宣伝の仕方を間違えたように思う。ミステリ風の設定や二重三重のトリックは舞台装置に過ぎず、この映画で描きたいのは登場人物の感情に他ならない。
そしてもう一つ問題がある。
前述した通りミステリではない映画であるため、推理をしようと躍起になっていると単純過ぎて肩透かしを喰らう。逆に考察をしないでぼんやりと見た方が楽しめる映画だ。その癖して、結末は自由にお考えくださいという締め方をしている。
この映画を楽しもうと思ったら、上映中はただぼんやりと出来事を受け止め、エンドロール後に全てを受け止めて考察せねばならない。重岡大毅、あるいは俳優・女優に釣られた観客、あるいはミステリだと聞いて観に来た客には酷だろうと思った。ターゲット層がよくわからない。
演者は良くやっている。若干印象に残らない者もいたが。主題歌も悪くない。歌詞が映画に合わせてきた感じがして良い。
全体的に、演者頼りで誰をターゲットに何を描きたかったのかがぼんやりしていた。これが良くなかったように思う。
が、個人的には楽しめた。ミステリ部分に期待をしていなかったからだと思う。
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